
クロストライブ2120 ~未来世界の魔術師たち~
2020年04月01日 19:00
2120年04月15日 19:00
CTⅡ運営チーム
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時は西暦2120年。
激動の21世紀を乗り越えた人類は、空前の繁栄を享受していた。
だが人々は知らなかった。
その輝かしい歴史の裏に、もう一つの歴史があった事を。
社会の裏で、人知を超えた怪物と闘い、世界を救った者たちがいた事を。
『魔術師』と呼ばれた彼らは、果たしてどこに行ったのか?
変わりゆく時代の中で、歴史の闇に消えていったのだろうか……?
――いや、違う。
魔術師たちは生きている。
この未来世界で今もなお、己の意志を貫いている。
大いなる敵『隣神』との最終決戦から、百年以上もの歳月が過ぎた時代。
魔術師たちの物語が、再び加速し始める――!
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日本・ネオトーキョー市、シンジュクエリア。
かつて『3トライブ地下合同拠点』があった場所の上には、
三つの塔が連結したような、巨大なタワービルが立っている。
そのビルが、とある異能者組織の拠点であることは、今では公然の事実だった。
ビルの屋上では、組織の3人の大幹部たちが、眼下に広がる街を見て言う。
「私たちの百年来の悲願が、ついに果たされましたね……
自らの異能を隠さずに、歴史の表舞台に立つことができるなんて」
そう言ったのは、『異端の魔女』こと高天原祈。
齢百歳を超える彼女だが、不老延命の魔法により、容姿は昔と変わらない。
白のトライブの副長を務める祈に、黒のトライブの長が言う。
「百年前の和平会談で示された道が、ようやく実現したな。
あの闘争の日々はここに繋がっていたと思うと、さすがに感慨深いものだ」
そう告げたのは、『黒の総帥』ニナ・シュバルツイェーガー。
祈同様、昔と変わらぬ姿の彼女を見て、赤のトライブの幹部が微笑んだ。
「まるでほんの数年前の事みたいに、鮮明に思い出せるわね……
っていうかあたしにとっちゃ、実際数年前の出来事なんだけど」
そうあっけらかんと言ったのは、『赤の魔女』エスティ・ラプラス。
彼女もまた若々しく見えるが、魔法による年齢操作は行っていない。
2020年に行った時間跳躍魔法の実験で、思いっきり失敗し、百年後の世界に飛ばされてきた
タイムスリッパーだ。
それぞれ歩んできた道は異なれど、3人の魔女は今も変わらず、魔術師として生きていた。
時に力を合わせ、しかし慣れ合うことなく、各トライブを治めている。
そんな和やかな魔女たちに、不意にかけられた声があった。
「待て三人とも、昔を懐かしむのはまだ早いんじゃないか?」
そう告げたのは、超老舗ゲームセンター『ウィズクラス』店長代理の支倉響香。
第二覚醒もしないまま、不老延命の魔法を身に着けた根性の人だ。
昔も今も中立を貫く彼女に、祈が問いを返す。
「どういう意味ですか、響香さん? 危険な落とし児でも出現したとか?」
「そんな剣呑な話じゃないさ。だがこの百年間、棚上げにされていた問題があるじゃないか。
どのトライブが一番強いのかという問題がな」
それははるか昔に行われた、あの大会を思わせる問いだった。
33名の魔術師が最強を競った、伝説の格闘大会『キング・オブ・ウィザーズ2016』。
ニナはそれに気づきつつも、首を振って答える。
「響香よ、それは百年前に答えが出ただろう。
優勝は『餓狼の魔術師』、準優勝は『銃舞の魔術師』、そして三位がこの私。
我がシュバルツイェーガーが一位二位三位独占と、圧倒的な結果を見せた」
「奇しくもそんな結果になったが、あれは個人単位のバトルロイヤルだ。
ではトライブ単位ではどうなのか?
あらかじめ所属者同士でチームを組んで戦った場合、最強のトライブはどれなのか?
それを今こそ、決めるべき時なんじゃないかな」
その言葉に三人の魔女も、興味深げな表情を浮かべた。
ここ百年間は各トライブが、武力衝突する事はなかった。恐らくこの先も、戦う機会は少ないだろう。
だからこそ今、戦っておきたいと思うのは、彼女たちが闘争の時代を生きた魔術師だからだろうか?
やがてラプラスが、にやりと笑って言う。
「面白いわねぇ……だったら今回も、あたしが音頭をとるわよ。
魔術師限定挌闘大会『キング・オブ・ウィザーズ』、一世紀越し2度目の開催よ!」
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その報せを聞いた各トライブの所属者は、それぞれ身を乗り出した。
とりわけあの熱い時代を知る者の中で、今も現役の魔術師たちの参加意欲は高い。
黒染美丹は「前回は出場しなかったから今回は出る」と言い、
月館日羽は「私もたまには戦ってみようかな」とやる気を出す。
波良闇秋水は「元・魔術師殺しの力を見せてやんぜ」とテンションを上げ、
並行世界に住む魔術師たちまでもが、飛び入り参加を画策する……。
かくして役者は出揃った。
未来を生きる魔術師たちの、格闘の祭典。『キング・オブ・ウィザーズ2120』――
熱い戦いが、再び幕を開ける。
▼行動選択肢
1.所属チームの優勝を狙う
2.特定の魔術師と戦う
3.大会のスタッフとして参加する
4.その他

一世紀ぶりにこんにちは。
CTⅡ運営担当、チーム月島です。
原作運営時は『現代伝奇ファンタジー』と銘打たれていた本作でしたが、
今年から『SF伝奇ファンタジー』へと転身しました。
しかし魔術師たちは、遥か未来の世界でも、変わらず元気に暮らしております。
そして百年ぶりに再開する、闘争と騒乱の物語。
今回の大会ルールと参加者は、以下の通りです。
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<ルール>
・基本ルールは前回と同じ。
会場内で参加者同士が闘い、戦闘不能になった者から脱落。
・魔術と遺物は、身に着けているものの全てを使用可能。
武器は個人で携帯可能なものなら、銃器を含めて使用可能。
・前回はバトルロイヤル形式だったが、今回はチームバトル。
所属トライブごとにチームに分かれ、他チームと戦う。
・そうして最後の1チームになるまで闘い、勝ち残ったチームが優勝。
チームメンバーが脱落していても、一人でも残っていればよい。
・所属トライブに関わらず、新たなチームを作るのも可能。
あえて個人(ソロプレイ)で挑戦するのも自由。
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<参加者>
〇『異端の魔女』高天原 祈/チーム:異端教会
異端教会副長にして、元11代目白の魔女。
組織のトップ近くまで上り詰めても、安月給は相変わらず。料理下手も相変わらず。
〇『黒の総帥』ニナ・シュバルツイェーガー(ニナ・ファウスト)/チーム:シュバルツイェーガー
シュバルツイェーガー現総帥にして、元23代目黒の魔女。
90年ほど前に、狂気に陥った前総帥を仲間たちと共に倒し、総帥の座に君臨した。
既婚者かどうかは今も不明。
〇『赤の魔女』エスティ・ラプラス/チーム:ウィザーズインク
時間跳躍実験に失敗し、百年後の世界にタイムスリップしてしまった人。
不在の間は優秀な同僚たちが、トライブを切り盛りしてくれたが、再会直後はめっちゃ怒られた。
〇『静穏の魔術師』月館 日羽/チーム:調停者
調停者現代表。第二覚醒はしていないが、その人柄と固有魔法の性質から、代表を襲名した。
不老魔法などは使えないが、なぜか若い頃の姿のままであり、ラプラスに首を傾げられている。
〇『想念の魔女』黄桜 美丹(黒染 美丹)/チーム:調停者
調停者代表補佐。50年ほど前に年齢操作系の遺物を手に入れ、自由に若返れるようになった。
普段はおばあちゃんだが、戦闘時は全盛期の姿に戻る。
〇『永遠の二十代』支倉 響香/チーム:ウィズクラスA
ウィズクラス店長代理。店は3トライブ合同拠点の隣に、今も建っている。
ウィズクラスは参加メンバーが多いので、チームを二つに分けて参戦する。
〇『信念の魔術師』明日見 秀/チーム:ウィズクラスA
ラプラスの時間跳躍実験に巻き込まれ、タイムスリップしてしまった不憫な少年。
仕方ないので22世紀の高校に通いつつ、落とし児退治の日々を送っている。
〇『軟派なスピードスター』鷹野 春道/チーム:ウィズクラスB
ラプラスの時間跳躍実験に巻き込まれた人その2。
元の時代に戻りたいが、その方法はわからず、とりあえず秀と同様の生活を送っている。
〇『采配の魔女』幅浜 寧々里/チーム:ウィズクラスB
赤の魔術師。17歳の時に寿命延長魔法を身に着け、年を取るのが遅くなった。
昔はちんちくりんと言われていたが、今は妙齢の美女。
〇『大いなる眠り児』高天原 秋水(波良闇 秋水)/チーム:無所属
祈と衛示の義弟(養子縁組)。体内に埋め込まれた遺物の力で、自由に年齢を操作できる眠り児。
かつては魔術師殺しと呼ばれたが、今は生まれ変わって、不殺のバトルジャンキーになった。
〇『毒舌人造生物』もふ/チーム:使い魔&人造生物
高天原祈の使い魔。
ご主人の出世に伴い、教会での地位はなんとなく上がったが、本人はさほど変わっていない。
<飛び入り参加者>
〇『白の魔人』宇和島 空/チーム:異端教会
並行世界の魔術師にして、向こうの世界の白の魔人。
不老延命の魔法を体得し、異端教会を支え続ける苦労人。
〇『黒の狩人』フリッツ・メフィスト/チーム:シュバルツイェーガー
並行世界の魔術師にして、向こうの世界のシュバルツイェーガー総帥。
百年ぶりに義妹に会えるのを、死ぬほど楽しみにしている。
〇『CEO』レビ・マクスウェル/チーム:ウィザーズインク
並行世界の魔術師にして、向こうの世界のウィザーズインク社長。
百年ぶりにラプラスと再会したら、何を話そうか迷っている。
〇『三位一体の魔人』フリオ・バンディーニ/チーム:調停者
並行世界の魔術師にして、向こうの世界の調停者代表。
親友たちの遺物を駆使し、白・黒・赤の全ての魔術を自在に操る。
<実況解説>
〇『異端の教主』高天原 衛示/担当:実況
異端教会の長にして、元14代目白の魔人。
現在はフランス本部所属だが、こっそり抜け出して大会に参加する。
〇『最古の魔人』アルバート・パイソン/担当:解説
調停者前代表にして現顧問。さすがに老境に差し掛かってきたが、今も現役の古豪魔術師。
六本木で営んでいる酒場は、『平成時代から続く名店』として有名だが、客層が怪しい。
<会場>
〇宇宙ステーション『レッドアイⅡ』
ウィザーズインク事業化推進局が打ち上げた、人類初の大規模宇宙ステーション。
内部は新宿区くらいの広さがあり、中には街もある。
まだ打ち上げ直後であり、居住者はいないため、大会の戦場に選ばれた。
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説明は以上です。
それでは皆様、良き闘争をお楽しみくださいませ!
※付記
……というのが2020年のエイプリルフール企画だったのですが……
4/1当日に、運営者が忙しく、更新ができませんでした。
ですがこのままお蔵入りさせるのももったいないので、1ヵ月以上遅れで公開です。
(ちなみに公開するのはプロローグのみで、実際にはやりませんよ。念のため)
エイプリルフールネタとしては完全にぐっだぐだですが、
企画の趣旨としては『未来世界でも魔術師たちは元気ですよ』という事だったので、
それが伝われば幸いです。
皆様もどうか、お元気で。ご清栄を心より、お祈り申し上げます。