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再会の戦場

2016年04月15日 19:00         

2016年5月20日 19:00         

風雅宿&チーム月島


魔術師たちの死闘の果てに、世界を脅かした『隣神』は打ち倒された。
現世は永遠の夜に閉ざされる事を免れ、再び暁を迎えた。
しかし彼らの闘争は、まだ終わっていなかった……!

 

* * * * * * * * * *

 

――あの最終決戦から4か月が過ぎ、魔術師たちは平穏な日々を過ごしていた。
だがそんなある日、新宿の3トライブ合同拠点にて。
竜崎圭がふと、こんな事を言い出したのだ。

 

「で、トリスタニアを除いたら、結局どの魔術師が一番強かったんだ?」

 

その言葉に、傍らのニナが眉根を寄せる。

 

「愚問だな、我らシュバルツイェーガーに決まっているだろう。
 隣神に勝利した事も、我がトライブの力なくば、成し得なかった事だ」
「いやトライブ単位の話じゃなくてよ、個人単位の話だ。
 全魔術師を集めて一斉に闘わせたら、誰が最後に残んのかね?」
「何……!? まさかそれが、お前だとでもいうのか?」
「俺ぁ負けず嫌いだけど、そこまで自信家じゃねぇよ。
 でもせっかく平和になったんだ、ここらで改めて決めとくのもいいんじゃねーか?
 隣神が現れて、うやむやになっちまった疑問――『どの魔術師が最強なのか』って事の答えをよ」

 

竜崎のその言葉に、ニナが興味深げな表情を浮かべた。
普段は組織の長として、冷徹を貫いている彼女だが、中身は生粋の闘争者だ。竜崎の問いに、心惹かれるのも当然だろう。
その内心を見透かしたかのように、部屋の隅にいたラプラスが声をかけてきた。

 

「面白そうな話じゃん? うちも一枚噛ませてもらうわ」
「何だラプラス。魔力を取り戻して、無駄な自信が湧いてきたか?」
「戦いにもちょっと興味あるけど、より惹かれるのはビジネスの方よ。
 最強の魔術師を決める戦いとなれば、こりゃ一大イベントになる……
 よし、あたしに任せて! このバトルを、3トライブ史上最大のお祭りに仕立てあげてやるわ!」

 



そんな会話が交わされてから、一週間後。
故郷・神奈川で穏やかな日々を送っていた宇和島空たちの元に、ラプラスからの手紙が届いた。

 

「『キング・オブ・ウィザーズ2016 参戦のご招待』……? なんだこりゃ?」

 

駆馬も同じ内容の手紙を貰ったらしい。彼は手紙の内容に目を通しつつ、答える。

 

「要はウィザーズインク主催の、魔術師限定格闘技イベントの案内状みたいだね。
 いや、格闘技イベントというのは語弊があるかな。
 ルールによれば魔法はもちろん、武器も銃器含めてなんでもありだって」

「銃器含めてってアホか、死人出るわ!
 ようやく平和になったってのに、なんでまた殺し合わなきゃなんねーんだよ!」
「そこは心配しなくてもよさそうだよ、異端教会病院が協賛してるみたいだし。
 つまり死人を出さず、純粋に強さを比べ合って最強を決める、健全なバトル大会らしいよ」
「なんだ、そういう事か……だったらまぁいいけど」

 

ほっとする空に、駆馬が問いを重ねる。

 

「それでどうする空? 参加者にはファイトマネーに加え、優勝者には賞金も出るみたいだけど」
「おぅ、せっかくだし出場してみっかな。勝負したい魔術師も何人かいるしよ」
「だったら僕も出ようかな。もうすぐ僕も出家するし、俗世での最後のお祭りって事で」
「うっし、それじゃ決まりだな! 車出せ駆馬、久々に東京行くぞ!」

 

空たちはそう話し、駆馬の愛車に乗って、一路東京に向かった。

 

 


――そして同じ頃。
各トライブの魔術師にも、大会への案内状が届いていた。

 

それを見た衛示が「正々堂々の試合という事なら私も参加したいですね」と言い、

秀も「一度衛示さんや空さんと戦ってみたかったんだ」とやる気を出す。

アルバートは「ファイトマネーくれるってんならなぁ」と重い腰を上げ、

もふまでもが「人造生物を代表して出場します! 優勝狙いますよ!」と身を乗り出す。

 

かくして役者は出揃った。
桜舞い散る春の、格闘の祭典。『キング・オブ・ウィザーズ2016』――

今、熱い戦いが幕を開ける。

 


▼行動選択肢
1.優勝を狙う
2.特定の魔術師と戦う
3.大会のスタッフとして参加する
4.その他
 

魔術師の皆さん、お久しぶりです。

前作『クロストライブ』原案担当、チーム月島と申します。

 

隣神との最終決戦から早4か月。

ようやく取り戻した日常を享受していた魔術師たちですが、平穏の中にも闘争はあるようです。

クロストライブの続編は、最初のシナリオからいきなりクライマックス。

魔術師たちの最強決定戦から、開幕する事となりました。

 

それでは、大会のルールをご説明いたします。

 ・会場は2km四方の山地。中央に山頂があり、東西に大きな河が横切っています。

 ・会場の周囲は、黒の空間分断結界によって封鎖されています。
 ・参加する魔術師たちの初期位置は、ランダムに会場内に配置されます。

 ・参加者はご自分が使える限りの、全ての魔法・武器・遺物の使用が認められます。
  ただし武器は自力で持ち運べる大きさ・重量のものまで。あまり大きすぎるものは使用できません。
 ・気絶など戦闘不能になった魔術師は、その時点で脱落。スタッフによって会場外に搬出されます。

 ・参加者の身体は異端教会病院ドクター軍団の手による『生命保護』の魔法がかけられていますので、

  大ダメージを受けても生命は保たれます。遠慮なく戦って下さい。

 ・そうして最後まで立っていた魔術師が、優勝者となります。過程は一切問いません。

 

以上、シンプルで純粋なバトル回です。

魔術師たちの闘争の火蓋が、再び切って落とされます。

 

物語が終わっても世界は続く。

そして世界が続く限り、物語はまた始まる――

かくして再開したこの物語に、お付き合い頂ければ幸いです。

 

 

 

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<2016/04/03追記>

 

元は冗談企画でしたが、風雅宿様にもご協力頂ける事となり、本当にプレイできる事になりました!

シナリオ返却日は上記の通りですが、参加人数が万が一増えすぎてしまった場合、もしかしたら延長を

頂くかもしれません。

その旨、何卒ご容赦のほど、平にお願い申し上げます。

 

 

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