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ありがとうと手を振って
2016年09月17日 19:00
2016年10月03日 19:00
黒崎からす
長く続いた雨が降り止み、朝日に照らされた草木は露をキラキラと輝かせていた。
「思ったより早く終わったな……」
シュバルツ・イェーガーのお使いを終わらせた夕月は、ふうと息をついて空を見上げる。
学校は夏休みに入っていたが、それはつまり、トライブ内での手伝いが増えるということだった。
だが、今日はもうお使いは終わった。この先は自由だ。
とは言え、学校のクラスメイトとは休日に遊びあえる仲でもなく、足はなんとなく道を進んでいく。
(サキは……確か今日は病院の定期検診だったな。終わるのはもう少し後だろうし……)
空いた時間に戸惑いながらぼんやりと考える。
(……姉さんに会ってこようかな)
なんとなく目的を決め、道をまがろうとした、その時。
「ゆーづきーーっ!」
「え……?」
遠くから、聞き慣れた声が耳に届く。
続いて軽快な靴音が猛スピードで近づいたかと思うと、突然背後から抱きつかれた。
「あっそぼー! ゆーづき!」
「さ、サキっ!?」
懐っこく頬を寄せてくるそれは、確かにサキだ。
柔らかな頬と頬がふれあうたびに、ふんわりと花の蜜の香りがする。
「どうしたの? サキ、今日は病院のはずじゃ……」
胸の中がムズムズとくすぐったくなりながら夕月は訊く。
サキにかけられた記憶操作の魔法。
大切な人を忘れたその魔法を維持するため、サキは定期的に異端教会病院へ行っている。
だがサキは、ヘラッと笑った。
「んー今日はね、いいの!」
「ええ? でも……」
「それより見てーゆーづき!」
困惑する夕月にかまわず、サキはニコニコ笑顔を咲かせながら両腕を突き出す。
その手には大きなバスケットが握られていた。
柳で編まれた籠の中には、花の種や球根などが袋に入れられている。
その数は膨大だ。袋に書かれた花の名前は様々で、ポピュラーなものから、どんな花が咲くのか見当もつかないものもある。
「ラプラスがね、実験で使うのをごはっちゅーしたんだって! それで、くれたの! 今日はこれでお花屋さんやるんだー!」
おそらく誤発注の意味は分かっていないだろう。
楽しそうなサキに、夕月はもう何も言えなかった。
「じゃあ、まずは夕月がお客さんね! どれがいい?」
そう言って、サキはバスケットを夕月に差し出す。
だかそこにあるのは味気ない黒い粒や茶色い塊だ。
「お花屋さんって……花の種を売るの?」
「違うよー。選んだ種を、サキが咲かせるの!」
「え? サキ、もうそんなことできるの?」
「えへへー、いっぱい練習したんだー」
夕月が感心すると、どこか誇らしげながら照れくさそうにサキは笑う。
「あ! お花のお値段はー……一回サキをギューッてしてほしいな!」
「それ、さっき逆にサキにしてもらったけど……」
可笑しく思いながら、夕月は花の種に目を移す。
「……買った花は、誰かにあげてもいいの?」
「いいよー!」
やがて、夕月の指はとある花の種でふと止まった。
「じゃあ、僕は……」
【行動選択肢】
・自分のために花を買う
・誰かのために花を買う
・サキを病院に連れて行く
・その他
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みなさん!
かわいい女の子とハグできるチャンスですよ……ッ!!
という冗談は置いておいて……
お久しぶりです!
黒崎からすです!!
とても乗り遅れた感がありますが、(季節もずれてしまいましたね……)
ぜひ私もこの素敵なエイプリルフール企画に乗っかりたいと思いまして。
今回の企画で、初めてPC参加しました。
行動詳細を書こうとして、みなさんの書き込みの凄さが改めて分かりました。
毎回あんなにも真剣に、深く物語に入り込んで記述してくださり、
私はどれだけ返せていたのだろう、と心苦しくもなりました。
本当に、本当にありがとうございます!
最後になるかもしれませんが、
これは私のキャラたちのエピローグとささやかな恩返しです。
お花は自分用に買ってもいいですし、誰かへのプレゼントにしてもかまいません。
種類はいろいろ取りそろえております。世界中どこかに実在する花ならば、ないということはありません!
魔法を使って咲かせますので、季節も関係ありません!
花言葉にかけて想いを伝えたり、
自分へのご褒美としてお部屋に飾ったり、
すごい匂いの花でイタズラしたり……
思い思いの使い方をしていただければ嬉しいです。
それでは、みなさまのご参加心よりお待ちしております!