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Project code-1.11/台場攻城戦
2016年05月06日 19:00
2016年06月05日 19:00
秋田しげと
![](https://static.wixstatic.com/media/554f04_8de7c1bf9f1a4699a8f4c452f8e23097.jpg/v1/fill/w_688,h_55,al_c,lg_1,q_80,enc_avif,quality_auto/554f04_8de7c1bf9f1a4699a8f4c452f8e23097.jpg)
――それは3トライブがまだ、抗争を繰り広げていた頃の物語。
当時、ウィザーズ・インクは、一つの問題を抱えていた。
「研究所が必要です。できれば、どのトライブにも邪魔されない極秘施設……」
「うわ、また三振……駆馬さん、消える魔球は控えてくれませんと……」
紅沢駆馬は、研究員の一人を相手に野球盤をしながら、魔術師の訴えを聞いていた。
「ん~これで、スッキリしたよ。なに? 極秘施設って、先日指示した、固有魔法の?」
「そうですよ! 今の研究施設は、他のトライブに感づかれてしまい、妨害を受けて研究が全く進みません!」
インクの問題は、固有魔法の防御研究を行う場所が無いことである。
魔術はどのトライブも日々鍛錬し、進化を続けている。それに加えて遺物の力を手にした魔術師は、固有魔法との合せ技などを使い敵を追い詰める。また、新たに覚醒した魔術師の固有魔法は未研究であり、不意に発動されれば受け身が取れず、大きなダメージに繋がる。
インクの幹部に着任した駆馬は、トライブの魔力バランスが崩れている事に危機感を覚えて研究を指示したのだったが、各拠点とも先の大規模戦闘で破壊、あるいはダメージを負い、隠密性が失われて他のトライブの妨害工作を許す状態だった。早くも計画は頓挫の危機である。
「しかも、23区内じゃないと不便だよね~。魔術師も、人もいない場所なんて23区内で難しいよなぁ」
ボヤく駆馬を見て、1人の魔術師が提案した。
「お台場、なんてどうでしょうか?」
「何言ってるのさ? 今や東京を代表する観光地。賑やかだよね。あんなところすぐ見つかるよ。およそ極秘って言葉とはほど遠い場所だよね」
「いえ、人がいない場所もありますよ」
「あのねぇ、必要なのは、極秘研究所。極秘だよ、ゴ・ク・ヒ!
人や、魔術師もいない場所、かつ、周囲と隔離されていれば理想的だよね」
「それが、あるんです」
「お台場に?」
「第六台場です。台場1丁目11番地……」
その魔術師が広げた地図を覗き込み、駆馬は考え込んだ。
「でも、首都高11号線、レインボーブリッジから見ると丸見えだね。それに、異端教会の占領地だし……」
「まあ、今や占領地も先の大規模戦闘であやふや……。でもまあ一応、異端教会が気付かないように、地下に建設しては?」
「……なるほどね。無人で周囲から隔離された孤島、しかも23区内。また元々要塞だから防御にも適してる……最適地だよこれ。その計画、認可するよ。計画名は、”プロジェクト・ワン・イレブン”とでもしておこうか?」
「了解、早速建設を始めます」
「くれぐれも、極秘にね。あ、そうそう……」
「はい?」
「野球盤は必ず買っておいて」
「……は、はい」
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2か月後。
”ゆりかもめ”から何気なく外を見ていた魔術師は、違和感を覚えた。それは、車両がお台場付近を通過した時だ。
「……人がいる、いや、魔術師?」
第六台場に生い茂る木々の、わずかな隙間を縫って人影が動いている。その気配から赤の魔術師であることが伺い知れた。
「一応、幹部に報告しておこう……」
そして調査の結果、インクの研究所であることが判明。
その研究目的が”固有魔法防御”であることを知った魔術師たちは驚きを隠せない。
「23区内の盲点でしたね。しかも、固有魔法の防御研究なんて。そんなことが実現したら、全ての戦いがインク有利に進む。なんとしても、計画を頓挫させなければ……」
異端教会とシュバルツ・イェーガーは、時を同じくしてインクの企図を察知。第六台場攻略の準備を始めた……。
【行動選択肢】
1.上陸戦(黒・白)
2.その他の攻撃(黒・白)
3.第六台場を出て迎撃(逆上陸も可・赤)
4.第六台場に籠城(赤)
秋田しげとです。
当シナリオでは時系列を少し戻して、3トライブが抗争を繰り広げていた時代(代理人が3トライブの臨時幹部を勤めていた頃)の物語をお届けします。
ウィザーズ・インクは敵対するトライブの戦力を削減しようと、固有魔法の防御・効果削減についての研究所を極秘に建設します。
場所は台場1丁目11番地、第六台場の地下です。
企図を察知した他のトライブは計画を頓挫させるべく、攻撃の準備を始めました。
第六台場は江戸時代に築かれた海上砲台で、正方形の一辺を切り取った、マンガの家のような五角形をしています。高さ約2mの石垣に囲まれており、家の屋根の頂上にあたる部分に、出入り口が一カ所あります。島は木々に覆われ、一見して中の様子は見えないので、研究施設建設に好適地と判断されたようです。
構造は、石垣を越えると砲台跡。その先の城内は、地下への入り口→前室→廊下→第一控室→廊下→キッチン→第二控室→廊下→「研究室」です。
周囲の環境は、第三台場(お台場海浜公園)まで約300m、レインボーブリッジ展望台(歩道あり)まで約100m、そこからの高低差約50m。鳥の島堤防までは約250mですが、そこは狭く周囲から丸見えなので施設建造はできません。
接近方法は、偵察後、武装の無い小型船舶(2~4人乗り)で上陸もしくは、泳ぐことになりそうですが、他に手段があれば記述願います。使い魔は事前偵察には有利かもしれません。
攻撃方法は、寄せ手の作戦次第となります。正攻法でも結構ですし、欺いて城門を開けさせても良いかと思います。
また、想い人が城内にいれば、内通してロミジュリを演じたり、対決していただいても、それは1つのドラマだと思います。想い人と戦う。。。どのような気持ちなんでしょうか……
さて、防御側の腕の見せ所は、城外に撃って出る場合の”迎撃方法”と、籠城する場合の”トラップ”となります。もちろん水際殲滅戦でも構いません。魔術と物理的トラップを組み合わせていただき、寄せ手をあっと言わせてください。
一般的に、「包囲されれば籠城側の不利」と言われますので、赤は籠城2日目から研究の一部が成功し、ある特定の固有魔法に対して防御力が向上することとします。
赤のみなさんは、防御したい固有魔法の名称を1つだけ記述していただければ、もし「正対した状態」で発動された時にダメージが少ない、という効果として現れます。奇襲された場合はその限りではありません。もちろん、その固有魔法が発動しなかったり、使い手の魔術師が参加していただけなかった場合は空振りとなります。
また、籠城3日目には、同国軍から折り畳み・組み立て式の小型水上機(零式小型水上偵察機)が1機届き、寄せ手の小型船舶に対して爆撃、銃撃が可能となります。2人乗りですので、搭乗しても良い魔術師の方は「乗OK」と記述してください。記述が無い場合や、2日以内に陥落した場合は登場しません。
つまり、攻城戦の多くは、時間の経過は寄せ手に有利ですが、今回は籠城側に有利となりますので、短期決戦での作戦立案をお願いいたします。
攻撃側の白と黒の同盟についてもみなさんの作戦次第です。
もし、同盟した場合、最終段階では勝利するトライブを決めなければなりませんので、同盟解消するタイミングも記述願います。もちろん同盟せず、競って攻めるのもOKです。トライブ間の「同盟」ではなく、魔術師同士の「共闘」など、個々で手を組んで頂いても良いかと思います。
寄せ手の勝利条件は、「城側全員にダメージを負わせる、もしくは戦闘意欲を失わせる、また、地下城内の奥にある研究室に到達する」のいずれか1つ。クリアするとインクの研究技術の一部が入手でき、次回私のストーリーで、指定する特定の固有魔法(決め打ち)に対して防御する力が手に入ります。
城側は「寄せ手全員にダメージを負わせる、もしくは戦闘意欲を失わせる」となります。守りきれば研究は成功し、今回指定した固有魔法の防御が、次回私のストーリーでも発揮できます。また、今後第六台場はインクの領地としてストーリーに絡めることも可能となります。(占領戦が休眠状態ですので、得られた利益を反映できるのが私のストーリーのみで申し訳ありません)
なお、各トライブは、先の大戦闘で占領地域の完全掌握が困難となり、占領戦の再開には時間がかかる模様ですので、今回は残念ながら占領戦ではありません。よって出撃地域の効果や占領地域の変更などはありませんが、戦場が今のところ異端教会の地域なので、先制攻撃できる権利を持つトライブは、白とします。
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戦闘ストーリーというイメージではありますが、テーマはいつも通り「戦いの中の愛情、心のつながり」です。仲間の魔術師や使い魔、今はそうでなくても、共闘したい魔術師、お話ししてみたい魔術師など、どんなことでも、なにかしらの”えにし・ゆかり”をみなさんと一緒に紡いでいきたいと思いますので、そのココロの内をなげかけてもらえば幸いです。
本当の勝利者は、えにし・ゆかりを胸に抱くことが出来た魔術師なのかもしれませんね。
では、戦場で。
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●04/17:変更・追記
秋田しげとです。
エントリー文にて、『今回は残念ながら占領戦ではありません。よって出撃地域の効果や占領地域の変更などはありませんが……』とありますが、皆さまのご要望に応えるため、『出撃地域の効果』を導入いたします。
『出撃地域の効果』導入にあたり、「白の占領地」である第六台場に籠城する「赤の魔術師」 が圧倒的不利になりますので、なるべく公平になるよう、ルールを追加させていただければと思います。魔術師のみなさんにご認識していただければ幸いです。
1.第六台場は「港区」ですので、異端教会の占領地域となります。よって、エントリー文通り、先制攻撃権を持つのは白ですが、白の魔術師が「港区以外」の出撃地域を指定し た場合、その魔術師は先制攻撃権を失います。
また、白のトライブとして、「他トライブと の同盟」を指定した場合も、他トライブとの連携の関係で白全員の先制攻撃権が失われるほか、港区出撃の白の魔術師で「他トライブの魔術師と共闘」を指定したときにも、やは り連携が必要となりますので、その魔術師の先制攻撃権は失われます。
つまり、「同盟」・「共闘」と、「先制攻撃権」は両立しない、ということになります。
なお、ここで言う「先制攻撃」とは、黒はもちろん防御側の赤よりも先に攻撃が出来ますので、「奇襲」とほぼ同じ意味だと考えて結構です。つまり、「第一撃目の成功率がかなり高い」、ということです。
2.白の魔術師で出撃地域に「港区」を指定した場合、「同盟」・「共闘」しない限り、先制攻撃権と、出撃地域の効果両方を手に入れることができます。
「同盟」・「共闘」した場合は、 出撃地域の効果のみとなります。
3.寄せ手の出撃地域は、船舶移動の場合、あまり内陸じゃない方がいいかもしれません (船舶の場所まで、電車移動になる可能性も)また、連携する魔術師同士の出撃地点はあまりばらつかない方がいいかもしれません。
4.赤の魔術師の方は、戦闘前、大多数が第六台場で平和に研究活動をしておりますが、「戦闘開始後」、赤の占領地域から2名だけ応援を呼ぶことができます。
その2名は「出撃地域の効果」を得ることができますので、選抜していただければと思います。また、2名は転移 で戦闘が始まっている第六台場に到着します。転移の成功率は100%とします。選抜された魔術師は行動記述に『応OK』と『出撃区(忘れないでくださいね……)』を記してくださ い。
5.赤の同国軍から提供される零式小型水上偵察機の登場時期を3日目→「2日目」に変更 します。寄せ手の船舶は2日目から航空攻撃を受けることになります。これも2名のみ搭乗できます。『乗OK』の記述よろしくお願いいたします。
なお、項番3の『応OK』と『乗OK』の魔術師が別でも、また同じでも大丈夫です。
6.赤の研究所で2日目に完成する固有魔法防御は、赤の魔術師1人につき1種類の固有魔法の指定が可能です。エントリー文通り、「互いに正面から戦う状態で」発動された時に攻撃力を弱める効果として現れます。
7.ストーリーの時系列の関係上、その時点でクロストライブに参加していなかった魔術師の方も、もちろん現在の所属トライブで参加可能ですし、不意を衝いて別トライブの味方をしても結構です。
……まだ不利だと感じる赤の魔術師の方もいるかもしれません。困難は多く、前途には暗雲が垂れこめています。ポイントは1日目をどう切り抜けるか…… 2日目になれば、固有魔法防御と航空機が…… 異端教会の有利な条件を生かす一撃、シュバルツ・イェーガーの想定不能な戦術、死中に活をみいだす、ウィザーズ・インクの戦い…… 括目しましょう。