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Deep Tips

(裏設定資料室)

 

 

ここではストーリーやクエスト等の中で、最後まで明かされなかった作中の設定を公開します。

調停者編が運営されていた当時、ライターさん向けに制作した内部資料を、

制作当時のほぼそのままの形で、転載してあります。

(一部読みやすいよう調整はしてあります)

本編も完結した事ですので、気楽な読み物としてご覧頂ければ幸いです。

 

なお、以下は『クロストライブに関わられた全ライターの方々』にとっての共通設定ではなく、

あくまでチーム月島による『原案としての設定』です。

 

その為、本編との齟齬もあるかもしれません。

また、後からのネタばらしにより、本編の余韻などを損なう可能性もございます。

さらに他のコーナーの記述と重複する部分も、一部ございます。

 

それでも宜しければ、御目通し頂ければ幸いです。

(※2016/01/30 誤字・レイアウト等修正)

 

 

 

 

 

 

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<裏設定・設定整理>
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○『夜の書』について
 異端教会の設立メンバーの一人、魔術師レオン・アーデルハイムの遺物。
 この魔導書の所持者は、魔力が劇的に高まると同時に、精神が変容する。
 心に使命感が植えつけられ、それぞれのやり方で、『世界を救う為』の行動をする。
 なお夜の書を読んだ者は、ナハトブーフとトリスタニアとルイーズ(後述)のみ。
 各トライブのトップも読んだ事はない。ただ隣世の秘密が書かれているというくらいの事しか知らない。
 現在はナハトブーフの館の地下に封印されている。

 


○『暁の書』について
 レオン・アーデルハイムが生前著した書。魔術師世界の基礎知識について書かれている。
 異端教会オルレアン本部に原本がある他、写本も各支部に存在する。
 衛示がいつも持ってる本は、この写本。
 原典は『夜の書』ほどではないが、過去に異端教会に所属していた魔術師たちの想いが数百年分込められて

 いるので、所持するとそれなりに魔力が高まる。

 


○ナハトブーフの行動原理
 夜の書を読んだナハトブーフは、心に使命感を植えつけられた。
 そして『大いなる敵に抗う為、境界の壁を破壊し、魔術師を増やして鍛える』という方法を取った。
 真相を誰にも語らなかったのは、『大いなる敵』の存在を誰かに語ると、トライブ間の対立構造が弱まり、
 一致団結してしまう恐れがあるから。
 魔術師は闘争の中でこそ成長するため、早期に団結してしまうと、成長が止まる。それを避けたかった。
 (※なおフリッツのみは『蔦の指輪』でナハトの記憶を一部読み、ナハトの行動原理と理想をおよそ掴んでたが、

   知っててあえて放置した)

 


○トリスタニアの行動原理
 夜の書を読んだトリスタニアは、心に使命感を植えつけられた。
 そして『魔術師を管理し、各トライブのパワーバランスを取りつつ、互いに鍛え合わせる』という方法を取った。
 真相を誰にも語らなかったのは、ナハトブーフと同じ理由。

 


○リンの創造者ルイーズ・シンクレアの行動原理
 物語には登場しないが、かつて夜の書を読み、心に使命感を植えつけられた。
 そして『窓を閉められる魔術師を創る事で、隣世から大いなる敵が来るのを阻止する』という方法を取った。
 この事はトリスタニア以外、誰も知らない。

 


○リンの行動原理
 リンは白の魔術師ルイーズ・シンクレアが固有魔法『人間創造』によって生み出した、人造魔術師。
 リン本人は夜の書は読んでないが、境界操作を使って世界中の窓を閉め続けるように、
 心に使命感を植えつけられた状態で生まれた。本人はその事を知らない。
 このようにリンの使命感は『与えられたもの』だが、生涯の最後に空たちと出会うことで、
 世の平穏を護るという使命にも確固たる意味が生まれた。その事をリンは感謝している。

 

 

○リンの名前の意味
 リンの父親『セイ・クローネンバーグ』は日系人。セイ=静。
 彼は人造魔術師である娘に、祖国である日本風の名前をつけた。
 リンとは『稟』であり、『天から与えられた』という意味。
 詳細ページのリンの装備アイテム『稟命』は、『天から与えられた使命』という意味。
 苗字は与えると、出自がバレてしまうので、あえて与えなかった。

 


○隣世の構造
 人間の集合意識によって形作られる世界。
 現世で起きた事は、何らかの形で隣世に影響を及ぼす。逆もまた然り。
 中は3つの層に分かれており、『扉』と呼ばれる白い穴で相互に繋がっている。
  ・第1層…現世にそっくりの、鏡写しの世界。魔粒子は濃いが、普通の魔術師でも足を踏み入れる事ができる。
       ナハトブーフとの決戦の場になったのは、この階層。
  ・第2層…人間の集合意識によって創られる、一種の精神世界。
       有史以来、現世のあらゆる人間が抱えてきた感情や想いが満ち満ちている。
       とりわけ憎悪や殺意など、攻撃的な感情が、濃く渦巻いている。
       魔術師でもここに踏み込むと、精神が侵食される。
       降魔はここで生まれ、第1層を通過し、現世に来る。
  ・第3層…広大な第2層を超えた所にある。ここにラスボス『隣神』が住んでいる。
       ここに辿り着いた時、この物語は終局を迎える。
 各トライブが得ている情報は、隣世第一層の事まで。
 二層以降があるのもわかっているが、第二層の扉は滅多に開くことはなく、探索はほとんど進んでいない。

 


○降魔
 大いなる敵の手先。
 落とし児のように、特定の個人の心から生まれるのではなく、隣世で自然発生し、現世に来る。
 普通の落とし児より強い。遺物を取り込み、さらに強くなる性質を持つ。
 一体一種の固有の能力を持ち、言葉を話し、自分の意志を持ち、遺物の力を使える。
 つまり『魔術師に限りなく近い存在』。

 


○隣神(大いなる敵)
 隣世の深層に住む者。有史以来、あらゆる人間の意識によって形作られた神のようなもの。
 その正体は意思を持つ、3種の魔粒子の塊。いわば魔術そのもの。
 かつてレオン・アーデルハイムに封印されたが、もうすぐ目覚める。

 


○『大いなる敵』の存在について知っている者
 宇和島空・紅沢駆馬・黒染美丹は、襲撃者(トリスタニア・アーテル)の襲撃を受けた時に、
 存在だけは聞いて知っている。
 フリオ・鴉・アルバートは、トリスタニアから聞いて知っていた。
 だがトリスタニアと同様の理由で隠していた。
 一方で確証を得てはいなくとも、片鱗に触れた魔術師は、それなりの数がいる。
 予言系の固有魔法を持つ者、隣世を見通す力を持つ者、隣世に行って探索した者など。
 しかしいずれも大いなる敵の存在について確信するには至らず、やがてただの『言い伝え』になった。

 


○アーテルとルーフスの存在について知っている者
 トリスタニアが多重人格である事を知る者は、もうこの世に誰一人いない。
 ナハトブーフだけは知っていたが、誰にも言わずに死んだ。
 フリオ・鴉・アルバートすらも知らない。
 ただトリスタニア・アルブスより強い魔術師が、調停者の中にいるかもしれないとは思っていた。
 

 

○トリスタニア・アーテルの行動の意味
 一見無茶苦茶なアーテルの行動だが、いずれもちゃんと意味はある。
  ①断章戦の途中で、空たちを襲撃した理由:
   空たちがナハト相手に頑張り過ぎると、他の魔術師が鍛えられる機会が少なくなってしまうため、
   一時的に退場してもらった。
  ②駆馬・美丹・阿廉・雅・真琴の両親を殺した理由:
   そろそろ出番が近づいてきた空チームの面々に、もっと強くなって貰いたかったため。
   3トライブとは別の勢力がいるといいなと思った結果。
   ついでにアルブスの能力でも見つけられないリンの遺物について、探す役目にもってこいだとも思った。
   リンに個人的執着等は何もないが、境界操作は強力な上に、隣世の扉を開くのに使えるので。
  ③調停者編の途中でウィズクラスの面々を襲い、かつ殺さなかった理由:
   これから各トライブの抗争を激化させようと思うと、魔術師の交流の場となっているウィズクラスが
   邪魔に感じたため。
   しかし春道たちも魔術師だし、大いなる敵と戦う時の戦力になるかも知れないと考え、殺しはしなかった。
 基本的にアーテルは、自分の目的のためには手段を選ばない。倫理観も壊れており、極めて理不尽。
 魔術師はあまり殺さないが、人間は平気で殺す。特に覚醒や第二覚醒を引き起こす為なら、あっさりと殺す。
 ただし自分の愉しみのために殺したりはしない。あくまで全ては『大いなる敵と戦う戦力を増やす為』。
 シリアルキラーではなく、マキャベリスト。

 


○調停者の条件
 重要なのは、『全を護る為なら、個を殺せる事』。
 同トライブの仲間だろうと、魔術師全体の秩序と世界の未来のためなら殺せる魔術師だけが、
 調停者になれる。私情で動く者は調停者にはなれない。
 トリスタニアは全ての魔術師を観察し、『この人なら』と思う人に声をかけ、スカウトしていた。
 明確な基準があるわけではなく、独断と偏見で選ばれる。
  ※フリオは不殺の誓いを立てていたが、世界を救う為に不可避なら、大切な者でも殺す覚悟はあった。
   それでもあえて誓いを立てていたのは、自分が暗殺者出身でかつ強すぎる為、安直に人を殺しかねないのが

   怖かったから。
   鴉はフリオだろうとアルバートだろうと、世界の敵となるならば、余裕で殺せる人。
   アルバートもあまり殺しは好きではないが、基本的には鴉と同様。
  ※秀は各トライブとの関連が薄いため、トリスタニアに声をかけられたが、
   性格的に調停者には成り得ないと判断されたため、自分でも知らないうちに不合格となった。
  ※空たちも同様。トライブを憎んでいる為、調停者候補になると思ったが、
   意外とそうでもなかったので、自分でも知らないうちに解放された。

 


○調停者の条件2
 最も重要なのは、『トライブや私情に関わらず、魔術師世界全体の利益を考えて行動出来る者』。
 調停者の使命は『全ての魔術師を護り、同時に鍛え、隣神と戦う際の戦力を育てる』。全てはそこに向いている。
 基本行動原理は以下の3つ。
  ①魔術師全体の利益になる行動を普段から取る。方法はそれぞれ。
    ・白のフリオは、大いなる敵との戦いの際に3トライブが和平する足掛かりとして、

     魔術学校を運営していた。
    ・黒の鴉は、自分を尋ねてくる者に魔法を教え、力を鍛えていた(結局生きなかった設定ですが)。
    ・赤のアルバートは適当。魔術師の交流の場としてバーを経営したり、魔術師に助言を与えたり、

     日羽を保護したり。
  ②魔術師世界の法を破る者がいた場合は、大切な人だろうと必ず鎮圧・無力化する。方法は調停者ごとそれぞれ。
    ・白のフリオは不殺の人なので、法を破る者はいったん叩きのめし、それから優しく自分の配下に引き込む。
    ・黒の鴉は暗殺担当。フリオのように面倒な事はせず、法を破った者はさっさと殺害する。 
    ・赤のアルバートはどっちつかず。ひとまず軽く説得し、無理そうなら殺す。
  ③魔術師全体の著しい不利益になる事象があれば、命を懸けてでも排除する。
    ・これはナハトブーフ戦の時に、フリオと鴉が体現した通り。
     だが③はよほどの事がない限り行使しない。
 トリスタニアは全ての魔術師を観察し、この職務に向きそうな人に声をかけ、スカウトしていた。
 もちろん人格だけではなく、能力が伴わなければ調停者にはなれない。
 ウィズクラスの面々が選ばれなかったのは、単に能力不足。
 元代理人たちが選ばれなかったのは、魔術師全体の利益を考えて行動するか否かが曖昧だった為。

 


○もふの能力七つ道具
 高等人造生物もふは、隣世を自由に移動でき、深層まで行く事ができる。
 なので現在異端教会の依頼で、隣世の探索に行っている。
 また膜状に変形して、同行する魔術師を包み込む事で、精神浸食を軽減できる。
 ついでに他の能力を全て挙げると――
  ・分裂:短時間なら分裂し、二体以上になる事ができる。
      そのうち核を持つのは一体。核が破壊されない限り分裂体がいくら倒されても死なない。
      分裂体と合体した時は、分裂体が得た情報も記憶も、全て本体に統合される。
  ・巨大化:最大5mほどに巨大化できる。でも別に大きくなるだけで、強くはない。
  ・変身:様々な姿に変身する。人間の姿になる事も出来るが、どこかパチモンくさい。
  ・魔粒子感知:魔粒子の臭いを嗅ぐ事ができる。濃度や魔粒子の種類などもかなり細かく嗅ぎ分けられる。
  ・自動再生:自らの傷を自動的に癒す。結構時間がかかる。
  ・高速移動:速く動く。それだけ。
  ・庇護膜化:隣世に向かう魔術師の数だけ分裂した後、防護膜のような形に変形させ、各魔術師を包み込み護る。
        深層の魔粒子の悪意から魔術師たちを護る。もふの命を懸けた最後の仕事。
        (深層の悪意の解決策がPCから出なかった場合、もふがこれを使い、

         命と引き換えに皆を隣神の元へ届ける)
 ※このうち、『分裂』と『魔粒子感知』と『高速移動』を駆使して、扉を探していたのでしょう。
  扉探しの為に生まれてきたような子です。
 


○先代黒の魔人『フリッツ・メフィスト』
 ホストっぽいアイツと同じ名を持つ魔術師。
 先代黒の魔人は、誰とも群れないし弟子も取らない、孤高の魔術師だった。
 フリッツは先代黒の魔人を『非常に優れた魔術師』として大いに認め、尊敬していた。
 しかし自分をより高みに導くためには、尊敬する先代をも殺し、第二覚醒する必要があると思った。
 フリッツの本名は『フリッツ・ファルターメイヤー』だが、これは人間としての名前である。
 先代を殺して『メフィスト』の姓を得る事により、自分の『魔術師としての人生』が真に始まると考えた。
 そして彼はその通りにした。
   


○白の魔術師たちの正義の源泉(他のライターさんの設定も含んでいるので、全くの仮案です)
 創設当時の異端教会は、魔術師たちの保護のみを主目的としていた。
 しかし超博愛主義者のトリスタニア・アルブスの影響により、徐々に思想変更していった。
 『人が我らを愛さなくても、我らは人を愛しましょう。憎悪からは何も生まれません』と。
 やがて知的個体ルー・ガルーが出現し、一般人を襲った。
 トリスタニア率いる異端教会の魔術師たちは、人々を護るため、ルー・ガルーと死闘を繰り広げた。
 正義は人の数だけある。しかし落とし児と戦い人々を護るのは、全てが相対的な世界でも、唯一確かな『正義』だ。
 自分たちの力は、このためにあったのだ。世界を脅かす邪悪な者を倒すために。
 そう思った白の魔術師たちは、誰一人逃げずに戦った。
 この戦場となったのが、パリ郊外の『銀の森』。
 見た目は普通の森だが、当時戦った魔術師たちが放った白の魔粒子が、今も木々に宿っており、
 魔術師の眼には白く輝いて見える。
 ここから彼らの正義の戦いは始まった。白の魔術師たちが、銀の森を『白の故郷』という所以である。

 

 

○ルー・ガルーの不吉な予言
 知的個体ルー・ガルーは、4度目の復活の際、魔術師たちに言葉を残した。
 隣神を示唆する『全てを覆す者』という単語と、『扉の彼方』という言葉。
 この戦いがきっかけで、レオンがいなくなってから頓挫していた、隣世の深層研究が再開される。

 

 

○白のトップ『異端の教主』の意向(補足:調停者4話時点)
 白のトップはアホではない。襲撃者に踊らされているのではなく、黒を攻める口実が欲しかった。
 しかしそれは利己的な理由ではなく、『大いなる敵を倒した後の事』を、既に視野に入れているため。
 大いなる敵を倒して世界を救っても、その戦いの中で白に犠牲者がたくさん出て、異端教会が崩壊→
 『大いなる敵は倒せましたが、その後世界は黒に支配されてしまいました』では意味がない。
 そうなってしまっては、一般人や社会を護る者がいなくなる。それだけは絶対に避けたい。
 なので黒を先に潰し、その戦いで得た遺物や、戦いの中で磨かれた力を用いて、大いなる敵に挑むのが
 最善の策だと考えた。上層部の大半もそれに同意している。
 悪いイメージがつきまとう白の上層部だが、彼らは彼らで世界の未来について、極めて真摯に考えている。
  ※なお黒の魔術師を皆殺しにしたいわけではなく、あくまで『シュバルツイェーガーという組織』を

   潰したいと考えている。
   異端教会の使命は『魔術師を護り救い導く事。それが不可能ならば力で管理する事』。
   奇しくも高天原衛示と暁の魔人の意見を両方兼ねた思想を持つ。
  ※そして使命はもう一つ、『一般人たちを護る事』。
   かつて魔術師たちを魔女狩りの的にした人間たちを、何の得にもならないのに守る。人を愛し護り続ける。
   それが白上層部たちの共通の正義である。
   かつてリンを殺そうとしたのも、数々の苛烈すぎる決断も、全てはその正義に基づくものである。

 


○黒のトップ『黒の総帥』の意向(補足:調停者4話時点)
 黒のトップもアホではない。襲撃者に踊らされているのではなく、白を攻める口実が欲しかった。
 白上層部の意志を推察し、先に潰してやろうと考えた。赤が加わるならさらに良し。
 3トライブで最も現状に満足していないのは、実は黒のトライブ。
 彼らは『抑圧されている魔術師たちの解放と、人類の支配』が悲願である。現状は理想に程遠い。
 しかし己の信念を貫けず、妥協と慣れ合いの中で生きていくならば、それはもはやイェーガーではない。 
 そんな組織は白との抗争の結果、潰れてしまっても構わない。
 常人とは異質の思考をする者、狂気にも似た信念の持ち主、それが黒の総帥である。

 


○赤のトップ『CEO』の意向(補足:調停者4話時点)
 白と同盟を結びつつ、適宜戦況をコントロールしようと思っている。
 また一方で、獣の世界を創ろうとしてきた人たちや世界の真理を探るのも面白いと思っている。

 知る事もまた、赤の魔術師の力。それを駆使して生き延び、そして最後には必ず勝利しようと。

 

 

○各トライブのトップの名前と能力
 ・『異端の教主』ガスパール・ヴァレリウス
  154歳/男性/白の魔術師:第二覚醒済み/異端教会
  超人格者だが、同時に厳しくリアリスト。一般人を護る事を教会最大の使命として考え、

  その為なら時に苛烈な行動を取る。
  一般人には無償の愛を注ぐ。キリスト教会との軋轢は今も存在するが、それを踏まえても一般人を愛し、護る。
   固有魔法『身体治癒』:半径10km以内にいる白の魔術師の傷を、常時治癒し続ける。
  
 ・『黒の総帥』ヨハン・シュバルツイェーガー
  287歳(肉体年齢28歳)/男性/黒の魔術師:第二覚醒済み/シュバルツイェーガー
  自分は永遠であり、黒の意志もまた永遠であると考えている。
  たとえトライブが滅ぼうと、その意志は自分に受け継がれ、続いていくというのが信念。
  黒の意志(=いつか魔術師を解放する)を持っていないのなら、それはイェーガーではないので、
  逃げるなり死んで遺物になるなり、好きにしろという考え。
  大切なのは、今いる黒の魔術師が、イェーガーの意志を体現する事。
  たとえ大河の一滴でも、いつの日かその意志が世界を変えるはずだと信じている。
   固有魔法『ゼーレヴィッヒ』:対象の黒の魔術師と、記憶及び思考を共有する。
                 死亡時は別の黒の魔術師に憑依し、生き延びる。

                 (元の肉体は抜け殻となり、遺物も遺さない)

 

 ・『CEO』アラン・ゴールドスミス
  45歳/男性/赤の魔術師:未第二覚醒/ウィザーズインク
  利己主義と合理主義の塊。上の2人と違い、人格者でもカリスマでもないが、能力はべらぼうに高い。
   固有魔法『クロックアップ』:周囲にあるコンピューター(人間の頭脳含む)の演算処理速度を向上させる。

 

 

 

○異端教会設立者たちの名前と能力と当時の呼称
 ・『聖女』アリア・ローゼンクロイツ
  享年18歳/女性/白/異端教会
  15世紀半ばから始まった、30年近くに亘る魔術師対キリスト教会の戦いの、最後の方に現れた心優しき少女。
  元々キリスト教徒だったが、魔術師たちの受難を見て覚醒。
  あらゆる争いを強制的に止めるという超越的な固有魔法によって、劣勢だった魔術師たちを救った。
  そうして長く続いた戦いの落とし前をつける為、自ら命を絶ち、遺物化。

  以後遺物となって、異端教会の本部を護り続ける。
   固有魔法『聖域創造』:あらゆる物理攻撃を跳ね除け、無効化する聖域を創造する。
              有効範囲は半径約100m。対象は任意。

 

 ・『魔女』トリスタニア・アルブス
  設立当時63歳(見た目は20歳)/女性/白/異端教会
  16の時に妹ソルピニアを魔女狩りで殺され、覚醒。白の魔術師として目覚めた。
  遍在の眼の由来は、ソルピニアが最後に告げた言葉から。
  そして手にいれた固有魔法により、欧州各所で起きている魔女狩りの事を知り、魔術師たちを救う為の旅に出た。
   固有魔法『遍在の眼』:現世で起こるあらゆる出来事を、任意に検索&観測できる。

 

 

 ・『魔術師』レオン・アーデルハイム
  設立当時69歳(見た目は26歳)/男性/赤/異端教会
  元々は西洋儀式魔術師だったが、魔粒子を浴びて能力が開花。
  魔女狩りによりソルピニアを失い、その際に覚醒。世界の真理を知りたいという渇望から、固有魔法を発現する。
  そしてアルブスと共に、魔術師を救う旅に出る。
   固有魔法『理の解析』:万物の本質を見抜く。術者が疑問に感じた事に対し、情報がある程度揃うと発動する。
  
   ※上記の3人は固い絆で結ばれた戦友でした。
   

 


○レオン・アーデルハイムの人生
 いよいよレオンについて本格的に気になってきた人もいるようなので、この項を整理・加筆します。
 レオン・アーデルハイムは、アルザス出身の西洋儀式魔術師(魔法陣書いたり色々する、昔ながらの魔術師)。
 元々優れた魔術知識を持っていたところに、後に魔粒子を浴び、眠り児となった。
 この頃のレオンは、世界を愛し謎を愛し、不思議な事に好奇心を持つ、後に赤の魔術師となるにふさわしい

 性格をしていた。

 そして研究の日々の内、トリスタニア・アルブスに会い、友人となる。妹のソルピニアとも仲良くなる。
 (当時トリスタニア20歳、ソルピニア16歳、レオン26歳)
 姉妹ともカトリック系異端審問官の家の生まれであったが、妹はこの時点で魔術師であった。
 ソルピニアの固有魔法は『魔粒子無効化』。自分たち姉妹の忌まわしい力を封じる能力。
 父に殺されかけた悲劇により、妹のみ覚醒したが、姉は妹を連れて逃げ、逃亡生活を送っていた。
 
 レインは姉妹を保護し、しばし平穏な日々を過ごしたが、やがてそこに異端審問官の追手が出現。
 ソルピニアが殺され、その悲劇により、トリスタニアとレオンは覚醒した。

 死に際、ソルピニアは姉に言う。「姉さんは全てを見て、この世界で起きている悲劇を。そして人々を救って」
 固有魔法はそれぞれ【遍在の眼】と【理の解析】。ソルピニアの遺言を果たす力と、それを助ける力だった。
 
 真に目覚めた魔術の力により、トリスタニアとレオンは、追っ手を倒した。
 手にはソルピニアの遺物がある。魔粒子を消す力を持つ、平穏を望んだ彼女の魂。
 それを携えた2人は、虐げられた他の魔術師たちを救う為の、長い旅に出る。

 その旅の中で2人は、多くの魔術師を救い、仲間として受け入れていった。
 しかし魔術師の群れが大きくなるほど、キリスト教会側の反発者も大きくなっていった。
 大勢の兵や、教会側に転んだ一部の魔術師との、熾烈な戦いが始まった。
 
 その戦いの果てに現れたのが、キリスト教徒でありながら魔術師となった少女『アリア』である。
 アリアはキリスト教の暴虐に憤り、魔術師たちの悲劇に涙を流し、魔術師たち側についた。
 そして数多の苦難の末、なんとかキリスト教会側と魔術師側の和平を実現した。
 そして最後の落とし前として、自ら魔術師たちの為に殉教し、遺物となって魔術師たちを護り続けることにした。
 かくして魔術師とキリスト教会は相互不可侵の密約を結び、トライブの歴史が始まったのだった。
 
 レオンとトリスタニアは、アリアの死により第二覚醒。それぞれ最初の魔人と魔女となった。
 欧州各地に教会を作り、魔術師たちを受け入れていった。
 レオンは魔術師たちを護る為、また教会の発展にも、魔術研究と後進の教育に没頭した。
 トリスタニアは魔術師の救済と、キリスト教会との折衝、民衆とのふれあいや魔術の有効活用など色々行った。

 そんな風に年月が流れても、レオンはキリスト教会への恨みを忘れていなかった。
 だが心優しいトリスタニアは彼を、それでも憎しみを捨てるよう諭した。
 『憎しみは何も生み出しません。人への憎悪は、再度の抗争に繋がります。
  魔術師を護る為にも、人を愛さなければならないのです』
 そんなトリスタニアと触れ合っていくうち、レオンも徐々に考えが和らいでいった。
 
 やがてレオンも一般人と触れ合うようになっていき、世界の美しさや優しさを思い出していく。
 一般人の中にも、虐げられた者はたくさんいた。
 世界は無数の異端者で出来ている。しかし異端である事が悲劇なのではない。
 相互に理解せず、対立する事こそが最大の悲劇なのだ。
 その考えに至り、ようやくレオンはかつてのように、この世界を愛するように戻ったのだ。
 
 しかし、となると大きな謎が残っている。時折空に開き、魔粒子を撒き散らす窓の事だ。
 やがて教会の運営が軌道に乗り、魔術師たちの安全も確保された頃、レオンは窓の向こうに行く事を決意する。
 そこには別の世界が広がっているらしい。いわば魔術の源がある世界。
 魔術と世界の真実を知る為には、誰かが行かなければならないのだ。
 そう言うレオンを、トリスタニアは止められなかった。
 
 長年連れ添った戦友であり、家族同然の存在であり、恐らく生涯で唯一愛した人との別離。
 別れ際、トリスタニアはレオンにソルピニアの遺物を渡した。
 『向こうには何が待ち受けているかわかりません。どうかあの子の加護を。あなたの身と心に平穏を……』
 レオンはそれを受け取り、別れの言葉を残して、窓の向こうに旅立った。
 
 扉の発見は、固有魔法【理の解析】により、比較的容易に済んだ。
 深層に足を踏み入れても、ソルピニアの遺物が護ってくれた。
 だが、そうして辿り着いた最深部で、レオンは『隣神』に遭遇した。
 
 隣神は現世の滅亡を願っている。固有魔法によりそれを看破したレオン。
 レオンは全ての力を注ぎ、隣神と単身戦う。
 だが圧倒的な力に歯が立たず、致命傷を負う。
 そこで止む無く、ソルピニアの遺物の力を使い尽くし、『魔粒子を封じる結界』を張ったのだ。
 
 からくも隣神を封印したレオンは、傷だらけの体を引きずり、現世に帰ろうとする。
 この途上で、隣世深層の魔粒子により精神が侵食され、力への渇望が甚大化していく。
 そして身も心もボロボロになったところで、ようやく現世に帰還。
 彼の使命感と力は、遺物『夜の書』となり、後にアルブスに受け継がれるのだった。
  ※レオンの生涯には、魔術師の歴史と人生が凝縮されています。
   愛する者を失う悲劇と闘争。異なる存在との対立と和解。未知なるものへの好奇心と、真理の解明。
   色の隔てなく、魔術師を救いたいと願う心。一般人を憎みつつも、愛しようとした心。
   力への渇望と狂気。圧倒的な存在との死闘。そして自分の力と意志を、後世に託しての死……
   『夜の書』と『暁の書』には、彼の絶望と希望が、全て記されています。
   隣神の強さだけじゃない。人々が力を合わせ、それと戦う事の難しさも。
   このままでは世界は、永遠の夜に閉ざされる。
   しかし奇跡のような確率であっても、その夜を超えられるかもしれない。
   その時が、真の魔術師の時代の夜明け。今一度の暁なのだ――と、そんな内容が記されているのです。
 


○隣世内での魔法の使用
 隣世の表層には、未分化魔粒子が満ちているが、それはいずれも低エネルギーのものが、薄く広がっている状態。
 そこに窓が開くと、濁流のように現世に流れ込む。
 この現世に流れ込んだ魔粒子は、小さな窓を通る際に圧縮されて、一時的に濃度が非常に濃くなっている。
 この高濃度魔粒子を現世で浴びた人は、その場でのみ、通常時より強力な魔法が使える。魔力の回復もできる。
 (パワースポットはこの高濃度魔粒子が溢れる窓が開いている場所の事。
  また境界操作の利用法の一つに、パワースポットを意図的に作るという技術がある。
  リンが生前、戦闘時に使っていたのはこの技術)
 一方隣世の深層では、互いにエネルギーが相殺され、魔法として使用するのが困難な状態になっている。
 以上につき、魔粒子が満ちる隣世に行ったからと言って、強力な魔法を乱発する事はできない。
 せいぜいいつもより、ちょっと魔力の威力が高まる程度。
 これは降魔側も同じだが、悪意による精神侵食が起きない分、向こうの方がやや有利。
 
 
○遺物『七つの断章』と『夜の書』の特殊性
 七つの断章と夜の書は、普通の遺物と違い、一般魔術師でも手にするだけで魔力が高まる。
 これらの遺物はそれ自体が、高エネルギーの魔粒子の塊。
 故に、落とし児は本来遺物を使えないが、この二つに限っては、
 『遺物の持つ固有魔法は使えないが、所持する事で力が激増する』という事も起こり得る。
 

 

 

 

  

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<トリスタニア関連の情報まとめ(補足:調停者編2話時点)>
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〇アルブス(白)とアーテル(黒)とルーフス(赤)について

 最初の人格アルブスは、とてつもなく優しい女で、全ての魔術師とほとんどの人間と世界を心底愛していた。
 妹ソルピニアを魔女狩りで殺されても、人間全般を憎悪したりはせず、むしろ護ろうとする程の超善人。
 彼女は魔術師と人と世界を守るためなら、自分はどんな受難でも受け入れようと思っていた。

 

 やがて1761年にシュバルツイェーガーが設立されると、白と黒の対立構造ができた。
 アルブスはこの対立をどうすべきか、物凄く悩んだが、答えは出なかった。

 

 そのまま3年の時が過ぎ、1764年。アルブスが夜の書を発見した事により、状況は変化した。
 アルブスは私情を失い、『世界を救う為に必要な行動』=『トライブ間の対立闘争構造の保持』を行う事にした。

 その使命を果たすため、襲撃者アーテルと管理者ルーフスという別人格が生まれた。
 

 以降は3人で協力して、使命を果たすことになる。

 アルブスが必要な時はアルブスの人格が、アーテルが必要な時はアーテルの人格が、
 1つしかない肉体を交代でコントロールする。
 ただし表に出る時は、常にアルブスが出る。アーテルやルーフスの事を知る者は誰もいない。
 そしてルーフスはアルブスとアーテルに、肉体のコントロール権を任意に与奪できる。魔力もルーフスが最強。

 

 

 

〇アルブスについて

 現イタリア・ヴェネチアの出身。
 元は途方もなく心優しい女だったが、夜の書を読んでから、精神が変容。
 世界を救う為=いつか現れる降魔や隣神と戦う力を得るため、
 トライブ間の抗争を延々と続けさせるという方法を取る事にした。

 

 この時、アルブスは全ての私情を捨て、そのためにのみ行動する事にした。

 ただし基本、積極的に抗争を煽る事はしない。この251年間にアルブスが行ったのは、主に以下の3つ。
  ・存在秘匿原則等、魔術師世界のルールを破る魔術師が現れたら思想転向させるか、味方に取り込む事。
  ・いずれかのトライブが、自力で回復不能にまで弱ったら、誰にもわからないよう援助する事。
  ・トライブ間の抗争が異常に過熱化し、互いに殲滅戦にまで発展しそうになったら、うまく治める事。

 

 基本的な狙いは『秩序ある戦い』。
 多少の抗争は魔術師同士どんどんするべきだと思っている(仲良しこよしじゃ誰も強くならない)。
 なので抗争をやたらと止めることはないし、魔術師たちに試練や悲劇が与えられても手助けする事はない。
 でも常に見守っている。愛情はハンパないので、悲劇が起こるたびに胸を痛め、爪を噛んで耐える。

 

 長年そうして傍観する事を、自らの役目と思っていたが、妹(の生まれ変わり)である日羽を助けるために、
 傍観者の立場を捨ててしまった。故に統合人格ルーフスに封じられた。

 だがついに隣神が迫ってきているのを察知。今こそ真実を明かし、各トライブが手を結ぶべきだと思った。
 その為にアーテルごと、自分を無色の間に繋ぎとめようとしたが、失敗した。

 魔術師全員を愛しているが、トライブ間の絆を結ばせようとする優しい魔術師は、特に好き。
 組織の意向に流されず、自らの意志で行動する者も好き。
 絶望や悲劇にさいなまれている他者を救おうとする者も好き。

※創造と増強の力の意味は、『産み、育てる力』だと考えている。
※現在の思想としては、『魔術師を強くするのは悲劇だけではない。絆や愛情も力になる』というもの。


 

 

〇アーテルについて

 生まれた瞬間から邪悪な、闘争の権化。
 抗争の火種をまき散らすのが第一行動原理の、混沌の魔人。

 悲劇が大好きで、魔術師が強くなるには、互いに殺し合うのが一番という思想の持ち主。
 

 アルブス同様、トライブ間の抗争を延々と続けさせるという方法を取る事にした。

 この251年間に行ったのは、主に以下の3つ。
 ・存在秘匿原則等、魔術師世界のルールを破る魔術師が現れたら抹殺する事。
 ・いずれかのトライブが大きくなり過ぎたら、誰にもわからないよう戦力を削る事。
 ・トライブ間の抗争が沈静化し、恒久的和平に至りそうになったら、それをぶち壊しにする事。

 

 基本的な狙いは『闘争と混沌』。
 魔術師世界の秩序が壊れかける寸前まで、とことん争う事により、魔術師は強くなると考えている。
 闘争も悲劇も魔術師を強くする要素なので、アーテルの意見も決して間違ってはいない。

 魔術師全員を(降魔と戦う戦力として)愛しているが、戦うべき時に戦わない甘ったれは嫌い。
 トライブ間の絆を結ばせようとする優しい奴も嫌い。死ぬのを覚悟で格上に挑むような者は好き。
 トライブの思想に染まり切った者も、抗争を助長するので好き。

 

 しかしどの魔術師も、よほどの事がない限り殺す事はない。
 人間は必要に応じてゴミのように殺すが、どんなに悪い奴でも魔術師は殺さない。
 全ては隣神と戦う時の、大事な仲間なのだから。
 (とはいえ非常に口は悪く、認めた相手でもしばしば嘲る。
  これは目的意識があっての事ではなく、単にアーテルの性格と口調の問題)

 

 バトル大好きなので、戦いを挑んでくる人には、一定の敬意を持って接する。
 トリックスターでマキャベリストなバトルジャンキー。

 

※合成と分断の力の意味は、
 『他者との絆も他者の肉体も、全てを断ち切り、そして死者の力を取り込んでさらに強くなる力』だと思っている。
 闘争で得るものも死者の犠牲も、何一つ無駄にせず次に繋いでいく、まさしく『闘う者』のための力だと。

※メタ的に言うと、抗争をポジティブに考え、
 『PC同士のバトル楽しいよな、クロストライブの魅力ってソコだよな。
  慣れ合うより、このまま殴り合い&出し抜き合いのバカ騒ぎを続けるのも悪くないだろ?』
 という価値観を、改めて提起してくれるようなキャラになってくれるとなお嬉しいです。

 

 

 

〇ルーフスについて

 上記の2人を適宜コントロールする女。
 アルブスもアーテルもどちらも必要だと考え、状況に応じて封じたり出番を与えたりする。
 自分が前に出ることは基本的にない。

 

 魔術師たちが今こそトライブを越えて絆を結び、頭数とチームワークで隣神に挑むのが正解なのか。
 あるいは最後まで闘争を繰り広げ、生き残った少数の最強魔術師たちが隣神に挑むのが正解なのか。
 それはルーフスにもわかっていない。
 この点はルーフスが唯一決めかねているところであり、PCたちがこれから決める事である。
 (勝算だけ見れば、確実に後者の方が高いとは思っている)

 

※解析と操作の力の意味は、『識り、操る力』だと思っている。シンプルで普通な解釈。

※メインの展開次第では、最後まで登場しないのも可。
 アーテル死亡時はそのままルーフスもアルブスも死に、遺物はPCへ。
 (ただし最終決戦の難易度は跳ね上がる)

 

 


○存在秘匿原則と虐殺禁止原則の意味
 存在秘匿原則は、魔女狩りが発生するのを防ぐための予防策。
 魔術師の存在が広く世間に知られると、やがて魔術師の迫害が起き、魔術師全体の不利益になる。
 なんだかんだ言って、人間は異端者を排除するものだし、いくら魔術師が強くとも人間全てを敵に回して
 生きていけるわけがない。一部の警察関係者などを除き、衆愚が魔術師の存在を知る事に、メリットはない。
 それを防ぐ為、251年前にトリスタニア・アルブスが提案した。
 
 虐殺禁止原則は、小説版の終了後、アルブスが提案した。
 目的は、降魔や大いなる敵と戦う戦力を減らさないため。
 遺物獲得目的で、魔術師になりたての者などが殺されると、遺物は増えるが魔術師たちは鍛えられない。
 それよりは未熟な魔術師が、ある程度成長するまで守ってあげた方がいい。
 そうしてある程度成長した魔術師が、互いに闘争してこそ、魔術師全体が鍛えられると判断された。
 

 

 

 

 

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<調停者編5話時点での各幹部の信念>
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①祈:抗争回避派(本国上層部の命に逆らってでも)
 「異端教会が、世に自らの存在を秘匿している理由。

  常に影から人々を護っている理由……それは魔女狩りを防ぐ為です。
 

  人間は残酷な生き物です。私たちの存在が世に広く知られたら、遠からず迫害が起こるでしょう。

  先代白の魔女の娘さんは、魔女狩りで殺されたそうです。
  信じられますか? 二十世紀に入っても、魔女狩りは存続していたんですよ。

 

  科学が発達しても、この世から神秘が駆逐されても、人々の心の中にある、異端者に対する恐怖は消えない。
  それでも私たちは、人々を護ろうと思った。人が我らを愛さなくとも、我らは人を愛そうと思った。
  私もまた白の魔女として、その使命を背負っています。
  救済した人々に石を投げられ、愛した者に火をかけられて……それでもなお人々の幸福を祈る、

  それが白の魔女です。
  誰に強制されたわけでもない。私は自らこの道を選んだんですよ。
  
  だけど私が護りたいのは、一般の人々だけではありません。全ての魔術師をも護りたいと思っています。
  抗争が不可避だったとしても、私は命を懸けて、皆さんをお守りします」

 

 

②衛示:3トライブ統合派(本国上層部の命に従いつつ)
 「異端教会の使命は、『魔術師を護り救い導く事』。しかしもう一つ、何より重要な使命があります。
  それは『魔術師ではない人々を護る事』。それが白上層部の共通の正義です。

  大いなる敵が現れたら、我らは一般の人々を護るために戦うでしょう。
  その中で恐らく、白には多大な犠牲が出る。
  不特定多数の人々を護りながらの戦いは、どうしても犠牲が大きくなりますからね。
  そうして大いなる敵との戦いの後、疲弊した異端教会が、黒や赤に併合されたら……
  その先は誰が、落とし児や邪悪な魔術師から、人々を護るのですか?

 

  大いなる敵との戦いが終わっても、世界は続いていく。私たちはその未来をも守らなければならない。
  それが上層部の意思であり、私はそれに賛同しました。今こそ黒を打倒し、3大トライブを平定すべきだと。
  しかしその抗争の中で、私は誰も殺しません。
  私はフリッツを救えず、死なせてしまった……あんな事を繰り返すわけにはいかない。
  一人でも殺せば、遺恨が残ります。だからこそ誰も殺さず、3トライブを平定する。

  それが今やるべき唯一の事です。
  
  むろん殺さずに勝つのは、殺して勝つより遥かに難しいでしょう。
  正義を貫くには、『力』が必要です。だから白の魔術師には、『増強』の力がもたらされる。
  味方も敵も無関係な者も、全てを救ってみせる。白の魔人の使命として」

 

 

③ニナ:徹底抗争派(上層部の意志に従って。流されてるのではなく、そうする事がニナ自身の意志)
 「黒の魔術師は、合成の力により、他者の遺物を体内に取り込める。
  故にシュバルツイェーガーは、古来より『死者の命と力は、後進の者に受け継がれていく』という思想が強い。
  だからこそ黒の魔人・魔女の使命は、戦う事にある。
  戦って戦って戦い続け、トライブの勢力と自らの力を、限界まで伸ばす事にあるのだ。
  
  むろん戦いの果てに死ぬ事も、使命に含まれる。
  そのため、黒の魔人・魔女は基本的に短命だ。就任も早いが、たいてい二十代やそこらで死ぬ。
  だがそれでも我らは、戦いを止めない。
  かつて魔女狩りで殺されていった、先人の無念を晴らす為。
  今なお社会の裏に生きる事を余儀なくされている魔術師たちを解放し、人類の上に君臨する存在にする為……
  我らが戦いを止めたら、その遺志は費える。シュバルツイェーガー254年の歴史は無に帰す。
  道半ばで死んでいった同胞たちの命を、無意味なものにしないために――私は今こそ使命を果たそう。

 

  私は黒に拾われ、黒に育てられた。私の身も心も人生も、全てはトライブに与えられたものだ。
  だが黒の魔女として生きる事を選んだのは、紛れもなく私自身の意志だ。
  その信念は決して砕けない。私はこの命尽きるまで、黒の魔女『ニナ・ファウスト』として生きる」

 

 

④ラプラス:抗争回避派(トライブの仲間を護るため)
 「そりゃ赤と白が力を合わせて黒と闘えば、勝てるでしょうよ。
  でもその抗争の中で、きっと赤にも多数の犠牲が出る。死の覚悟を決めた黒の連中ほど、怖いものはないからね。

  あたしは善でも悪でもない、フツーの魔術師だからさ。
  仲間が死ぬのとかフツーに嫌だし、できれば抗争なんて避けたいの。
  弱腰なんじゃないかって? いーや、これこそがむしろ、赤の魔女のあるべき姿なのよね。
 
  そもそも我が社の本来の社是は『自由と独立』よ。

  ウィザーズインク創設者、アルバート・パイソンが定めた指針。
  差別されず、支配されず。赤の魔術師たちが、その人らしく生きるための足掛かり。
  理不尽に殺される事も、弾圧される事も、思想を強制される事もなく、ただ自由に生きていきたい……
  そんな当たり前の事を実現するのが、昔の魔術師たちにとっては、本当に難しかったんだ。

 

  だから赤は力を伸ばした。魔力も科学力も技術力も財力も情報力も。
  『自分が生きる為』『社員を生かす為』に、ウィザーズインクは存在する。そこには善も悪もない。
  あたしは、あたしたちが生き延びる術を探す。持てる力を尽くして、あんたたちを守る。
  それが魔力を失ってなお、赤の魔女を名乗ってるあたしの、たった一つの信念よ」

 

 

⑤マクスウェル:抗争派(利己的な理由)
 「そもそも魔術師の抗争は、人間の戦争とは根本的に違うのさ。
  利害が反してなかろうと、他トライブを潰すのには大きなメリットがある。
  身内に死者が出ても、遺物さえ奪われなければ、戦力はさほど減らない。
  それが魔術師が戦い続ける、根本的な理由だよ。

 

  だから赤は、自分たちが潰されないように、強くなる必要があった。望むと望まざるとに関わらず。
  他トライブの幹部に匹敵する魔術師がいなければ、作った。そうして生まれたのがオレさ。
  オレの役目は『ウィザーズインクを護る事』。どんな手を使っても、赤の魔術師達の居場所を護り続ける事。
  オレはその為に、上層部の命令に従って、ずっと戦い続けてきた。わずか7歳の頃からね。

 

  ……だけどこれはあくまで、赤の魔人としての仕事だ。オレの個人的な望みは違う。
  オレの本当の望みは二つだけ。一つは『ラプラスを護る事』。そしてもう一つは『オレ自身が自由になる事』。
  その為には絶対的な力が必要だ。赤の誰よりも。白と黒の誰よりも。トリスタニアよりも大いなる敵よりも。

  今後の抗争の中で、敵対する者を皆殺しにしてでも、オレは力を手に入れる。
  ラプラスを護るための力を。トライブの意に振り回されず、自由に生きるための力を。
  これは善でも悪でも信念でもないよ。ただの『渇望』さ」

 

 

※ラプラスとマクスウェルの関係について

 ラプラスとマクスウェルが出会ったのは、ラプラスが18歳、マクスウェルが10歳の頃。
 当時マクスウェルは、7歳の頃から戦い漬けの日々を送り続け、心がほぼ壊れた戦闘マシーンとなっていました。

 

 それを見たラプラスは彼に、通り一遍の同情を投げかけましたが、当のマクスウェルは、
 「この力を与えた者を恨んではいない。むしろ素晴らしい力を与えてくれて感謝している」
 などとうそぶくばかりで、自分が悲劇的な存在である事を、理解しようともしていませんでした。

 

 2人の関係は平行線でしたが、その後ラプラスが親友と同僚を殺され、魔女となる事件が起きます。
 そして自分を含む全魔術師の置かれた状況、即ち『遺物を巡って殺し合いが頻発する』『大きな力を持つ者ほど

 狙われる』という事実を痛感しました。

 同時にウィザーズインクを護る為には、マクスウェルのような存在が必要である事も理解しました。
 他のトライブに強力な幹部がいるなら、それと同格の魔術師を、無理やりにでも作らなければならなかったのだと。
 その為に造られた彼を、ラプラスは今度こそ本当に理解し、共感を抱きます。
 そして彼に対し、惜しみなく愛情を与えるようになります。
 
 そうして自ら赤の魔女に立候補し、公私共に彼のパートナーとなります。
 当初は戸惑ったマクスウェルですが、やがてラプラスの愛情を徐々に受け入れ、人間性をある程度取り戻します。
 
 故に最初の人物設定書に記されていたように、
 『ラプラスはマクスウェルを超可愛がり、マクスウェルはこの世で唯一ラプラスを信じている』という
 関係性に至ったわけです。
 
 月島が書いた小説&シナリオで、ラプラスとマクスウェルの台詞が一部共通しているのは、
 二人が心を通わせていた事の表れです。
 なおラプラス→マクスウェルの感情は『母性』ですが、
 マクスウェル→ラプラスの感情は『恋慕を超えた信頼と庇護欲』でした。
 
 
 
 


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<強硬派の信念>
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①白の強硬派の考え
    ・正直な話、襲撃者の所属がシュバルツイェーガーか否かなんて、強硬派にとっては些細な事。
      彼らは襲撃者の一件が起こる前から、そろそろ黒と決着をつける時期だと思っていた。
      穏健派が結んだ平和条約で、戦う機会が奪われて困ってたが、襲撃者はそれを破る口実をくれたという訳。

    ・そうまでして、なぜ黒を潰そうとするのかというと、『一般人を護るため』である。
      そもそも3つのトライブの中で、白だけは組織の性質が違う。
      トライブの利益の為だけではなく、『一般人を護るため』『人間社会を護るため』に行動している。
     
     ・誰に命じられたわけでもないが、白の魔術師たちはそれを、己の使命と思い定めた。
      何の得にもならないのに、毎日ひたすら魔力を鍛えて。乏しい予算をやりくりして、薄給に甘んじて。
   黒や赤や落とし児に、仲間を何人殺されても、誰一人教会を辞める事なく、戦い続けている。
      なぜなら白がやらなければ、一般人を護る者がいなくなってしまうからだ。

 

  ・しかし黒はそうではない。黒が魔術師世界の覇権を握ったら、一般社会の在り方も変わる。
   黒の最終目的は『魔術師を解放し、人類の上に君臨する存在にする』事。
   それは人外の力を持つ者たちによる、一般人類の絶対的支配である。
   それだけはなんとしても食い止めなければならない。黒のトライブを潰してでも。

 

  ・日本の連中にはイメージが悪いようだが、利己的な理由で動く奴なんて、白の本部には一人もいない。
   正義は人の数だけあるが、白本部の共通の正義は、『一般人を護る事』。
   かつて上層部が境界の魔女を殺そうとしたのも、数々の苛烈な決断を下してきたのも、全てはそのためである。
  
  ・強硬派のある魔術師曰く――
   「苛烈過ぎるのは認めるよ。批判はいくらでも受け付ける。
    だが考えてみろ、お前の正義は正しいのか。
    納得できる答えが聞けなきゃ、俺たちは歩みを止めねぇぜ」

 

 

②黒の強硬派
    ・襲撃者の思惑も気になるが、より重要な事がある。
   それは奴の手で、現在白が打撃を受けている事。日本支部を潰す好機が出来たという事である。

 

  ・そもそもシュバルツイェーガーの悲願は、虐げられてきた魔術師たちの解放だ。
      だが黒の悲願が叶えられ、世に魔術師が解放されたら、再び迫害が起こるだろう。
   人間は異端を恐れる生き物である。魔術師の存在を知れば、確実に排斥しようとする。
      その時、必要なものは何か?
      迫害を跳ね除け、逆に人類を支配できる程の『圧倒的な力』だ。

 

     ・だがその思想はどこまで行こうと、白の正義とは平行線だ。
   襲撃者の思惑がどうだろうと、大いなる敵とやらが現れようと現れまいと、白と黒の抗争は宿命なのである。
 
  ・強硬派のある魔術師曰く――
      「なぜ大いなる敵が迫っている今、わざわざ抗争を行わなければならないのかって?
    これは異な質問だな……黒の魔術師ならわかるはずじゃないかね?
    『合成と分断』の力の意味は何か。私たちがこの力を得た理由は何か。そこに答えはある」
    

 
③赤の強硬派
    ・白と黒は元々対立しているものの、本来赤は関係ない。
   だが白と黒が全面抗争に入るなら、赤も無関係ではいられないのだ。
      白黒のどちらかが抗争に勝利したら、勝った方は大量の遺物を手に入れる。
      そうすれば赤は、もうそのトライブに対抗できなくなり、やがて併合されるだろう。

 

    ・黒が勝ったら最悪だが、白が勝っても状況はあまり変わらない。
   なのであくまでドライにロジカルに、抗争に横槍を入れようとする。

 

  ・強硬派のある魔術師曰く――
     「結局、赤が赤として生き延びる為には、ウチが魔術師世界の覇権を握るしかないのさ。
      その為に赤はあらゆる手を使って、トライブの力を伸ばしてきた。
      創設以来70年かけて鍛えてきた力を、使うべき時が来たってだけの話だ」
     
    

 

 

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<調停者編終了時点での各幹部の本気の戦闘力>
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 もはや幹部たちについては、ライター各位の方が書き慣れてると思いますが、
 一応他のライターさんの記述などを見て、『こんな感じかな』とまとめたものを記述します。


①祈
 病み上がりなのでやや弱い? 空と同等くらい。武器はメイス。
 身体強化で怪力を発揮。防御力も高く、補助魔法にも治癒魔法にも長けている。
 遺物『エリザベートの薔薇』を使うと、『現在最優先の目的』以外の全てを忘れ、
 阿修羅のような戦いぶりをしてしまう。
 使用中はマクスウェル以上の強さを発揮できるが、周りを巻き込む事もあるので、
 超強い敵とのタイマンの時くらいしか使わない。


②衛示
 相変わらず魔力が減衰中だが、そろそろ戻ってきている? 空よりちょっと強いくらい。武器はランス。
 基本能力は祈に近い。ランスを投槍として全力で投げた時は、対戦車ライフル並の威力。
 遺物『クリストファーの輝石』を使うと、先代白の魔人クリストファー・ブルグ(全身甲冑の無貌の騎士)が
 スタンドみたいに出現し、自律的に行動する。
 武器はこっちもランス。衛示と同等の戦闘力。


③ニナ
 3魔女の中では今一番強い(本国でたっぷり休養したので)。
 固有魔法『ヘキサクラフツ』が汎用性が高いので、主にそれで戦う。
 敵の攻撃は遺物『影の猫』で、影と同化して避ける。
 夜になるとこの遺物はさらに効果を発揮する。影に同化したままの長距離移動もお茶の子さいさいになる。
 敵の背後に急に出現し、奇襲する事なども可能。
  ※なお『影の猫』の効果は黒の最高難度魔法『次元合成』の一種。
   三次元の存在を二次元の存在に相互変換する。
 
④ラプラス
 構築の魔女さんの研究により、魔力を徐々に取り戻しつつある。
 魔女時代のようには戦えないが、魔術師しか使えない機材や兵装を使用する分には充分。
 

⑤マクスウェル
 魔力減衰中だが、制御術式3番まで外せば、やはり全魔人魔女で最強。
 ニナを手玉にとれるほどの実力差はないが、それでもはっきり強いといえる感じ。
 攻撃を受けたら固有魔法『マクスウェルの収束』で時間を戻せばいいので、そもそも殺しきるのは困難。

 

 

 

 

 

 

 

================================================================== <設定ツッコミQ&A>

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ここではストーリー上で、PC諸氏から寄せられた疑問・ツッコミに対し、
月島の解釈での『答え』を列挙します。

 

 

 

『Q:なぜトリスタニアは空たち代理人の身柄を『調停者預かり』にしておきながら、戦闘不能にしたのか?』

 

  →そうしないと空たちが、いずれかのトライブの魔術師に殺される可能性が高いから。

   空の固有魔法『破魔の刀』は、対ナハトブーフの特効薬。
   小説版のラストで描かれたように、死亡したナハトブーフが魔粒子になって拡散する際、
   破魔の刀でさらに斬り付けると、ナハトブーフに大ダメージを与える事ができる。
   なので空が物語に絡んでくると、ナハトブーフとの戦いが早々に終わりかねないため、
   一時退場してもらう必要があった。
   
   だが単純に戦闘不能にすると、遺物獲得目的で狙われる可能性がある(特にフリッツに)。
   しかも空たちはナハトブーフを倒せるほど強いので、虐殺禁止原則が適用されない。
   なので各トライブから狙われないように、身柄を調停者預かりにして、狙われないようにした。
   物語をうまく回すため、トリスタニアも裏で色々と、涙ぐましい努力をしている。
   
   

『Q:前回の獣の世界(=100年前の白黒全面抗争の事かな?)の顛末とは?』
 
  →当時、白は欧州に15支部・日中露に各3支部・北米に2支部。
   全構成員数315名(うち赤の魔術師55名):本部周辺構成員100余名。
   黒は欧州に12支部・日米露に各2支部、イスラエルとチェコに1支部。
   全構成員数289人(うち赤の魔術師80名):本部周辺構成員60余名。
   トライブ間の戦力は、遺物を含めると完全に拮抗しており、戦力面では膠着状態にあった。

 

   だが国際情勢穏やかならぬ中、黒は各国要人の暗殺などにより、

   経済的・コネクション的に勢力を伸ばしていた。

   むろん一般人の庇護と、魔術師世界と一般社会の分離を使命とする白は、これに激しく反発。
   それまでの案件とは、一般社会に与える影響が桁違いな黒の所業を、何としてでも阻止しようとする。

 

   そんな一触触発の状況下で迎えた1906年。
   当時の白のトップ、『異端の教主』アントワーヌ・ヴァレリウスが、黒の魔術師の手により暗殺される。
   犯人は公表はされていないが、トリスタニア・アーテル。
   この教主の死をきっかけに、白黒の長年の対立・思想・利害・怨恨・使命感・自己生存欲求・力への欲求など、
   ありとあらゆる動機が弾け、とうとう全面抗争に突入する。
   
   両トライブは抗争前に、『調停者』トリスタニアにお伺いを立て、抗争のルールを改めて明文化。
   それに従い、9か月にも亘る殺し合いを始める。

 

   白側の指揮者は『生命の魔女』エレミー・ネヴァーモア。人造生物創造の達人。
   他、主な戦力は、
       ・『白の魔女』エリザベート・ディミトリエフ:全身傷だらけの歴戦のシスター。固有魔法は『魔力暴走』。
       ・『白の魔人』オーギュスト・ブルグ:甲冑を着込み馬に乗った騎士。固有魔法は『絶対不壊』。
       ・『守護の魔女』桜坂寿々女:守護系魔法の専門家。日本人女性。固有魔法は『四肢再生』。
       ・『神罰の魔人』フリオ・バンディーニ:おなじみシルクハット男。全身に遺物を埋め込んだ最強暗殺者。
       ・『颶風の魔人』トラヴィス・ブランネル:筋肉隆々ナイスガイ。固有魔法は『マンウィンド』。

 

   黒側の指揮者は『黒の総帥』ヨハン・シュバルツイェーガー。他の黒の魔術師に憑依する固有魔法の持ち主。
   他、主な戦力は、
       ・『黒の魔女』ライラ・ファウスト:狼女。他の生物と己の肉体を合成して、獣人化する固有魔法の持ち主。
       ・『黒の魔人』レネ・メフィスト:元祖『黒の嵐(分断の黒霧&衝撃波)』の使い手。戦闘専門。
       ・『隻腕の魔人』アルバート・パイソン:おなじみ赤の調停者。当時は若造。
       ・『博覧の魔女』御統鴉:おなじみ和服美女。当時はアルバートの相棒。
       ・『重力の魔人』ハーシェル・フリードマン:アルバートの親友。

 

   この戦いの中で、白の魔人・守護の魔女・黒の魔人・黒の魔女など多数の犠牲が出た。
   (アルバートが片目を失ったのは、この際のフリオとの死闘による負傷。純白の鋲で撃ち抜かれた)

 

   最終的な死者は、白側135名、黒側110名。
   互いに失ったものが多すぎた為、年末にトリスタニアの提案により、停戦交渉が行われた。

 

   要は抗争のきっかけを作ったのがトリスタニア・アーテルで、
   その後の抗争のルールを作ったのがトリスタニア・ルーフスで、
   停戦交渉を持ち掛けたのはトリスタニア・アルブスという事。
   三位一体の魔女が連携して作り上げた、獣の世界とその結末。

 

   この戦いで白黒の対立はさらに深まり、当時の魔術師たちは鍛えられた。 
   なおこの戦いの混乱の中で、白の魔術師ルイーズ・シンクレアと、黒の眠り児セイ・クローネンバーグが

   駆け落ちし、誰にも知られないところでひっそりとリンが生まれる。

 

 

 

『Q:初代3人の文献を探ってくれ』

 

  →これが黒の創設メンバー3人の事だとしたら……
 

  ・黒の総帥ヨハン・シュバルツイェーガー
   本名ヨハン・シュバルツシュミット。
   ドイツの名家の生まれだったが、ペストの流行により発生した魔女狩りに巻き込まれ、家族全員を失う。
   さらに原因が断たれるまで魔女狩りは幾度も繰り返され、最終的に町はほぼ滅びた。

 

   だが当然病の流行は終わらず、一家惨殺を免れたヨハンも遂に罹患(逃亡中に魔粒子を浴びて眠り児化)。
   死の床で、あまりにもくだらない人間の所業に絶望し、その悲劇によって魔術師として覚醒する。

 

   その後、異端教会に保護されるが、『一般人を護る』という教会の方針に反発。
   同様の想いを持つ魔術師を連れ、トライブを脱退。
   ドイツに帰国し、『魔術師の解放と人類社会の頂点への君臨』を目的に、新たなトライブを設立する。

 

   以後、254年経っても死なず、総帥の地位に居続けている。
   肉体的には何度も死んでいるが、その都度新たな肉体に乗り移り、己の意志を貫徹しようとし続ける。
   黒の思想の体現者でありカリスマ。高貴で物腰柔らかな狂人。
   オペラや歌曲や叙事詩が好き。最も好きなオペラは『ニーベルンゲンの指環』。
   アーテルとは気が合うかもしれないが、トリスタニアが多重人格だという事は最近まで知らなかった。
   固有魔法は前述の通り『ゼーレヴィッヒ』。

 


  ・初代黒の魔女フロイライン・ファウスト
   国籍不明、本名不詳女性。
   幼少時に両親に捨てられ、一人森を彷徨う中で魔粒子を浴びて、眠り児となる。
   それで得た異能によりなんとか生き延びようとするも、魔法を使ってるところを目撃した一般人により捕獲。
   口語に絶する悪意と暴力の後、更に魔女裁判で有罪となり、火あぶりとなった。
   だが己の身が焼かれていく中、魔女狩りを見物していたアドルフ・メフィストに『契約』を持ちかけられ、
   魔女として覚醒し生存。
   以後アドルフによってヨハンと引き合わされ、心酔。黒のトライブの創設メンバーとなる。
   固有魔法は『ヘキセンリート』。歌声に黒霧を載せて拡散し、聴いた者の生命力を分断する能力。
   
   
  ・初代黒の魔人アドルフ・メフィスト
   本名アドルフ。名字なし。魔術師になった時に勝手に自分でメフィスト姓をつけた。
   かつては善良な神父だったが、プロテスタント/カトリックの宗教抗争の煽りで、異端として拷問を受けた。
   だが拷問死の直前に、魔術師として覚醒。
   異端の烙印は、信仰篤き彼にとっては深刻で、自らが神の僕ではなく悪魔であると信じる原因となった。
   ならば悪魔として生きようと考え、自らドイツの伝承上の悪魔『メフィスト』を名乗る事にした。
   
   その後、異端教会に保護され、適当に距離を置きつつ生きてきた。
   固有魔法は特定の魔術師1名を魔人化する能力。己の見込んだ者に力を与えようとしていた。
   そしてフロイラインに力を与え、以後生涯を共にする。
   フロイラインの名付け親であり、ヨハンと出会った後は、フロイラインと共に主従の契りを交わす。

 

   設立当初は3人の中でも最強の魔力を持っていたが、ヨハンが不死者である事やそのカリスマ性を高く評価し、
   生涯通じてヨハンに尽くした。
   固有魔法は『フェアトラーク』。契約を交わす事で、特定の人物を魔人or魔女にする。
   契約はどちらかが死ぬまで解除されない。
   固有魔法は戦闘向きではないが、分断の黒霧だけで充分強かった。

 

    ※総じて三人とも、人類の愚かしさと残酷さによって、悲劇を得た者。
     故に人間を憎み、魔女狩りを憎んでいた。
     虐げられた魔術師へのシンパシーが強く、魔術師の解放に強い動機を持っている。
     黒の理念も正義もトライブ運営の方向性も、この時点でほぼ完全に固まっており、変遷する事はない。

 

 


『Q:アーテルが言っていた『お前らの血から、永遠の太陽の生まれん事を』という言葉の意味は?』
 
  →記憶の魔術師さんのご指摘の通り、作詞ガブリエーレ・ダンヌンツィオの歌曲『アマランタの4つの歌』より、
  『暁は光と闇とを分かつ(https://www.youtube.com/watch?v=YhYAeqSM-DU)』の歌詞のもじりです。

 

        <私的和訳歌詞>
         暁は光と闇を分かち 我が望みから幸福を奪う
         愛しい星よ 滅び行く時だ
         聖なる愛が 空から汝らを消す

         燃えさかる瞳よ 二度と戻らぬ者たちよ
         悲しき星たちよ 清らかなまま姿を消してくれ
         私も死のう 昼など見たくない
         我が夢と闇への愛ゆえに

         夜よ私を包んでくれ 汝の母なる胸に
         蒼ざめた大地が 露に濡れている間に
         さもなくば 我が血から暁が生まれ
         我が短き夢から 永遠の太陽の生まれん事を
 
   アーテルが生まれてからだいぶ後になって創られた曲ですが、アーテルはこの歌が好きです。
   夜を賛美する内容のように見えつつ、最後の二行で希望を歌っているからです。
   
   アーテルは誰より、魔術師達が置かれている絶望的な状況を理解しています。
   夜に身を委ねる=諦めて死ねば楽になる事も重々承知です。
   しかし、それでもなお運命に抗い、互いに争い血を流していく中で、
   いつか絶望を駆逐する者が現れるのだと信じています。

 

   アーテルの言葉において、『夜』とは『大いなる敵に世界が滅ぼされる事』を現します。
   そして『太陽』とは夜を駆逐する存在。大いなる敵を倒し、世界に光をもたらす者の事です。
   また『暁』とは、1482年にトライブが成立し、魔術師たちの時代が始まった事を指します。
   これらの事は『夜の書』に書かれています。
   夜の書とは、『このまま行くと大いなる敵に世界が滅ぼされ、世界は永遠の夜を迎えますよ』という
   事について記した書物です。

 

 

 

 

 


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<小説版キャラの設定・思考・行動原理>
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○宇和島空の行動原理
 第1の目的はリンの遺物を手に入れる事。
 これはリンに再会したいという想いももちろんあるが、もう一つの大きな理由は、
 生前のリンの遺志を継いだため。
 
 リンの遺物が各トライブに渡ると、境界操作が乱発され、世界の平穏が崩れ去る。
 それを防ぐために、各トライブの魔術師より先に、遺物を手に入れなければならないと考えている。

 

  ※もっとも空も、死んだ人は蘇らないという事は理解している。
   リン自身も言っていたように、死んだ人を生き返らせる魔法などないと。
 
  ※なお空の言う『世界の平穏が崩れ去る』という事を、具体的に説明すると――
   境界操作が乱発されると、大量の魔粒子が現世に流れ込む。
   すると世界中のあちこちで落とし児が生まれ、現状の魔術師では対処不能になる。
   その大混乱の中で魔術師も多く生まれるだろうが、そこに至るまでの犠牲が大きすぎる。
   仮にそれを看過したとしても、その後に訪れるのは『魔術師』と『魔術師になれなかった人』の
   二極分化であり、絶対的支配の構造が生まれる。
   これらを諸々含めて考えると、遺物を各トライブに渡すわけにはいかない。
   これはリンが小説版で言っていた事と同じであり、自明の理でもある)

 

 またトライブは信用していないが、個々の魔術師に関しては、信用できる者もいると考えている。
 トライブの意向に惑わされず、自分の意志で自分の道を選んだ人間、かつ利害が一致している者なら
 信頼に足ると考える。

 襲撃者(トリスタニア・アーテル)や、窓の向こうの『大いなる敵』に抗う為には、
 信頼できる魔術師を見極め、味方につける事が必要だと考えている。
 小説版の頃より偏狭ではない。少し大人になった。

 

 思考は白寄り。『世の平穏を護る事』及び『仲間を護る事』を目的に動く。

 自分の思想(=個人的に大事なものも、世界全体も、両方護ろうとする)というのが
 欲張りである事は重々理解している。だが現実を踏まえた上で、それでも理想を追う。
 ただの人間でありながらナハトブーフに挑んだ父を持ち、なんの得にもならないのに
 世界を護ろうとし続けてきたリンに救われ、そして大切な仲間に助けられてきた以上、
 己の身を削ってでも理想を追うのが、自分の役目だと思っている。

 

 3トライブの幹部の中では、ラプラスを比較的信用している。
 また祈と衛示の事は明確に信頼し、特に祈には戦友意識もある。
 ただし祈と衛示は、視覚と聴覚の情報が上層部に筒抜けなので、腹を割る事はできない。
 一方フリッツは大嫌いだし恨みもあるが、黒による魔術師世界の統一を狙っていた事や、
 そのために自らの命も顧みなかった事などについては知っており、一定の敬意を持っている。

  ※なおリンの遺物を手に入れた時に、それをどうするのかというのは、空自身も決めかねている。
   『破魔の刀』で遺物を消去し、争いの種を永遠に失くすべきかもしれないという事も考えてはいる。
   それが恐らく『正しい事』なのだろうけれど、空自身の感情としては、全く受け入れられない。
   ならばどうすべきなのか――というのが、調停者編以降で空の抱える、大きな葛藤である。

 

 

○紅沢駆馬の行動原理
 空とほぼ同様。しかし空たちの意志を尊重し、かつ護る事が、最大の行動原理。
 また各トライブの魔術師を護ろうとするが、これは各魔術師たちが、
 襲撃者や大いなる敵と戦う際の戦力になると考えているため。

 

 思考は赤寄り。合理的でロジカル。腹芸も上手。

 性格は一見柔和で、人当たりも良いが、個人的に大切な者と大切じゃない者をはっきり分け、
 護る対象に優先順位をつける。
 しかし二者択一を迫られない限りは、どちらも護る。自分が傷つくことは厭わない。

 

 3トライブの幹部の中では、ラプラスとマクスウェルと祈を比較的信用している。
 3トライブ協調の可能性はあるのかという事も、密かに模索している。
 基本的に空より多角的に、色々な事について考えている。

 

 

○黒染美丹の行動原理
 空とほぼ同様。だが空より思考は遥かに極端。
 空たちを脅かす魔術師がいれば、殺すことも厭わない。
 もっとも自分が人殺しになったら、空たちが悲しむだろうから、あまり積極的に殺そうとはしない。
 (代理人の使命とも矛盾するし)

 

 思考はやや黒寄り。

 基本的にトライブ所属の魔術師は警戒し、なかなか心を開こうとはしない。
 またトライブそのものに非常に懐疑的。
 組織の意志に流され、自分で考えない人間(=単に群れてる人間)を嫌う。
 反面、孤立している人間には、一定の好感と興味を抱く。
 3トライブの幹部の中では、祈のみ信用している。
  ※なおつい先日まで、近頃のニナの『トライブの意向に流され、自分の意志がない』感じを嫌っていた。
   だが調停者編3でニナが『トライブの意向よりも、ニナ自身の考える"黒の誇り"を優先した』行動を見て、
   ニナを大いに見直した。そして自分の見識の狭さを反省した。
 
 トライブの事は信用していないが、個人の信念を否定するような言葉は決して言わない。
 どんな形であれ、自分自身で考えた事・選んだ道には価値があると思っている。
 (それはそれとして、自分と敵対する魔術師や明らかな悪に対しては、しっかり怒りを抱く)

 

 

○白城真琴・黄桜阿廉・藍川雅の行動原理
 全員存命であり、空たちとほぼ同じ行動原理で、別働隊として動いている。
 現在各トライブ本部にて、リンやナハトブーフの足跡や、襲撃者について情報収集中。

 

 

○6人共通の思考
 空たち6人は、かつては全トライブを敵に回して戦い、しかし最終的にはリンを失った。
 さらに全員両親をも失い、それでもこれ以上の悲劇を食い止め、世の平穏を護ろうと決意した。
 一通りの議論は既にし尽しており、その上で上記の考えに至った。
 全員似通った結論に至っている。また全員、半端な覚悟ではない。
 もう一度全ての魔術師を敵に回してでも、必ずや本懐を成し遂げようと思っている。
 リンに再会しなければ、世界の平穏は戻ってこない。大いなる敵や襲撃者の謎も解けない。
 それらすべてを解決するため、空たちは皆、自分の命を捨てる覚悟が出来ている。
 もう失うものは、ほとんど何もない。
 だからこそ最後に残った仲間たちを大切に思い、絶対に護りたいと思っている。

 

 

○空たちが第二覚醒した理由
 襲撃者(=トリスタニア・アーテル)に全員両親を殺されたため。
 全てを失った以上、もう空たちは引き返せない。
 なんとしてでも世界の平穏を取り戻そうと考えている。

 

 

○空たちの魔術師としての特殊性
 空を除き、覚醒時の状況が普通の魔術師とは違う。
 全トライブを敵に回した上で覚醒した駆馬・美丹・阿廉・真琴・雅は、
 『世界中の魔術師たちと戦う為の力』『強大な敵(当時はナハトブーフ)を倒すための力』を得た。
 絶望を潜り抜け、かつ更なる絶望の中で覚醒したため、短期間で普通の魔術師より魔力が強くなった。

 

 

○空・駆馬・美丹の戦闘スタイル(全員白の魔術師)
 ・空…破魔の刀で敵の魔法を打ち消しつつ、接近して斬るというシンプルなスタイル。
    身体強化の魔法と、武器創造の魔法が得意。刀の切れ味は任意に変更できる。
    流派は父に習った剣道と居合術。ほか古流(夢想神伝流剣術、神夢想林崎流抜刀術など)も色々齧っている。
    構えは主に正眼(刀を正面に構えたフツーの構え。剣道の授業で習うアレ)。
    頑丈な敵には蜻蛉(両手を顔の右あたりに置き、刀身を天に伸ばした構え。攻撃力と斬撃速度に長ける)。
    一撃で決めたい時は居合腰(腰を落として刀を脇に収めた、いわゆる居合っぽい構え。斬撃速度は最速)。
    敵が多い時は無構え(右手で刀を持ち、普通にリラックスして立つ構え。様々な状況に対応しやすい)。
    愛刀『破魔の刀』は、地元の博物館で見た名刀『相州清麿』をモデルに創造している。
     ※剣士系PCの方などに突っ込まれた時の為、一応流派なども記しておきます。
 
 ・駆馬…固有魔法と遺物で仲間を護りつつ、前衛に立って戦うスタイル。
     治癒魔法と防壁魔法が得意。槍は伸縮自在で、10mまで伸ばせる。
     炎による攻撃を受けると、酸素が枯渇するが、肺の中に酸素を『創造』して、3分程度までなら
     耐える事ができる。
     窒素爆発など、大きな衝撃力を伴う攻撃には弱い。衝撃を減衰しきれない。
     またPCの固有魔法で言うと、『滅拳』や『月影』など、色々弱点はある。
     創造から治癒まで、様々な白の魔法を器用貧乏的に使える。その中でも治癒と防壁魔法が比較的得意。
     
 ・美丹…鎖鎌『レージングル』を使った中距離戦。
     鎖鎌の鎖は、触れると魔力が減り、魔法以外で破壊できない。また自分の意志で自在に操る事が可能。
     鎖は体のどこからでも出す事ができる。最大7本まで同時に創造&操作可能。
     鎌は任意に、死神が使うような大鎌の形態にもできる。
     魔力は代理人三人の中でも最強。
     反面、身体能力は非常に低い。鎖を使ったワイヤーアクション的な事をやって、カバーする必要がある。
     白の魔法はなんでも得意だが、創造系魔法がとりわけ得意。
     強固な防壁を作ったり、それを形状変化させて反撃に使ったり、檻を作って相手を閉じ込めたりも出来る。

 


○真琴・阿廉・雅の戦闘スタイル(全員白の魔術師)
 ・真琴…武器はグローブと安全靴。空手家。空手の流派は首里手系(一撃必殺&スピード重視)。近距離特化型。
     魔法は『武器創造』『身体強化』『身体治癒(自己)』の三種類しか使えない。
     固有魔法『マコトシャッフル』は、30mまでの距離を瞬間移動する魔法。1日に8回まで使用できる。
     これで敵に接近して、ひたすら殴るというシンプルなファイトスタイル。
     コンビを組む相手によって強さが大きく変わる。
 
 ・阿廉…武器はショットガン+格闘。中距離~遠距離主体だが、一応接近戦も出来る。
     魔法はやや苦手で、防壁魔法などは多少使えるが、小説組6名の中では一番練度が低い。
     固有魔法は『ガンくれロックオン』。一度眼を合わせた相手をロックオンする。
     ロックオン中は発射した弾丸が自動追尾する。また弾丸の軌道を自由に操れる。     
     
 ・雅……武器は弓道+武者弓術。遠距離特化型。
     魔法は治癒が得意。創造した弓矢の性能も高い。
     固有魔法は『十五間の絶対領域』。
     自分の位置から半径28m以内にいる魔術師を、力量その他に関係なく、範囲外に弾き飛ばす。
     魔力・体力消費が激しいが、どんな敵にも一切接近を許さない能力。
 ※総じて別働隊3名は、本隊3名よりは実力が少し劣るが、連携次第で強くなる。

 

 

 

○空・駆馬・美丹の持つ遺物
 ・空:『幻影のチャクラム』
   小説版に登場した白の魔術師、三神征一の遺物。
   自分を含む特定人物そっくりの幻影を創り、自由に操る。
   ただし幻影はうっすら透き通っており、よく見るとすぐバレる。
   
 ・駆馬:『アクティブデコイ』
   ナハトブーフの体に埋め込まれていた無数の遺物の一つ。
   使用すると半径5m以内にある飛来物(魔法・物理問わず)を引き寄せる効果を持つ。
   飛来物の定義は、時速30km以上で移動する物体。
   この遺物の元となった魔術師は相当弱かったと思われるが、遺物となって初めて有効性を発揮した。
   また駆馬の固有魔法と組み合わせる事で、劇的な効果を発揮する。
   
 ・美丹:『シールドスリッパー』
   ナハトブーフの体に埋め込まれていた無数の遺物の一つ。
   自分が創造した武器に限り、あらゆる物体を任意に通過させることができるようになる。
   もともと魔力が強い美丹にこれを持たせると、鬼に金棒。鎖は防御不能の拘束具となる。
   美丹を倒すには、まずこの遺物を何とかしなければ始まらない。
   もしくは不意打ちなどで、臨戦態勢に入る前に倒すべき。

 


○美丹の被害妄想について
 美丹は自分が褒められたり、好意を向けられたりすると、それをネガティブに捉える癖があります。
 侮辱されたと思い怒るのではなく、単に自信がなく凹みがちなだけです。
  ・容姿を褒められる→「からかわれてるに違いない」
  ・性格を褒められる→「油断させて騙そうとしているに違いない」
  ・頼りにしてると言われる→「利用して使い潰そうとしているに違いない」
  ・愛の告白をされる→「どうせドッキリか何か」
 ただし信頼している相手ならば、その限りではない。
 

 

 

 


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<裏事変:物語裏での代理人たちの行動>
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----<メインクエスト『七つの断章』>----
○宇和島空たち、断章の欠片が次々と東京で見つかってるという話を聞き、東京に向かう。
 そこで祈の紹介でウィズクラスに行き、春道たちと顔を合わせる。
 そして最近の東京の状況について、色々と話を聞く。
 (この時期、すでに秀はウィズクラスにいない)
 この後、一度戦いの準備を整えるため、K県S町に帰る。
 

 

----<ストーリー断章戦『始まりの刻』>----
○小説版のラストシーン。空たちは東京在住の協力者から、新たな断章が見つかったという連絡を受け、
 再び東京に向かう。
 だがその直後、トリスタニアに声をかけられ、身柄は調停者預かりとなる。
 各トライブを警戒していた空たちは、この誘いに乗る。
 そして各トライブと協調せず、独自に断章探しを始める。
 (この時期にトリスタニア繋がりで、明日見秀と出会う。またフリオや鴉とも出会い、魔術の特訓を受ける)
 (またこの時期以降に何度か各トライブの幹部たちと会い、話したりもしている。
  祈にも挨拶と別れを告げており、その際にせめてもの餞別として、
  小説版で死んだ白の魔術師三神征一の遺物『幻影のチャクラム』を貰った。
  これは生前の三神の『空くんたちを助けてやりたい』という遺志を尊重したもの。
  ほとんど何も語らずに死んだ三神だが、本当に善人であり、弱くとも白の理念の体現者でもあった)
○これをきっかけに、空たちはナハトブーフを追う傍ら、
 各トライブの魔術師(=PCたち)を密かに観察し始める。

 


----<ストーリー断章戦『絶望の地下迷宮』前>----
○特訓を終えた空たち、ナハトブーフと遭遇・交戦。
 激闘の末、これを倒すも、また復活される。
 (この戦いの時に、遺物『アクティブデコイ』や『シールドスリッパ―』など、様々な遺物をナハトから奪う)

 


----<ストーリー断章戦『終焉の序曲』前>----
○空たち、各トライブの魔術師の観察を継続する。
 その中で信用できそうな魔術師がいるか見極める。
 またその傍ら、断章を一つ入手する。

 


----<ストーリー断章戦『誰かのヒーローになりたい』前>----
○空たち、観察の末に、PCに接触しようと決心する。(※ストーリー上の大分岐点)
 しかしそこに襲撃者(トリスタニア・アーテル)の襲撃を受け、重傷を負う。
 さらに全員魔力を分断されて、戦えなくなる。断章も奪われる。
○アーテルは断章を元の場所に戻す。そして断章戦は続く。
  ※この時空たちは、知人であるトリスタニア・アルブスと、襲撃者が同一人物だとは気付かなかった。
   襲撃者は光を分断して、影のような姿になっており、かつ声も変えていたので、気づきようがなかった。
  ※この時、アーテルの台詞を聞いた。
   『お前たちの出番は終わってんだ。しばらく寝てろや』
   また大いなる敵とやらがいて、もうすぐ現れそうな事。それまで鍛えておくべきだという事。
   そして死なずに鍛え続ければ、いつか境界の魔女に出会えるかもしれないという事も聞く。
  ※なおアーテルはこの時、空たちが頑張り過ぎてしまうと、他の魔術師たちが鍛えられないと思った。
   故に一度空たちを舞台から外した。
  ※トライブに深い恨みを持つ空たちが、トライブ所属の魔術師と協力しようと思ったのは、
   アーテルにとっての誤算だった。故に一見辻褄の合わない行動になってしまった。

 


----<ストーリー断章戦『崩壊の旋律』>----
○空たち、引き続き入院中。
 襲撃者の言葉の意味について考える。ナハトブーフかとも思うが、口調が全然違う。何者だ?

 


----<ストーリー断章戦『託された未来』>----
○空たち、回復してきたのでK県S町の病院に移送されるも、引き続き入院中。
 ナハトブーフとの決戦に行こうとするが、いまだ魔力はほとんど回復していない。

 


----<ストーリー断章戦『託された未来』後>----
○空たち、ようやく退院し、家に帰る。
 そして祈づてにナハトが死んだ事、断章が消えた事を知り、呆然。ここで一度心が折れかける。
 手がかりは完全に失われた。これ以上なにをどうすればいいんだ。
 仲間を巻き込み、家族に心配をかけるよりは、リンの事を諦めた方がいいのか?
 しかしもしリンの遺物がどこかにあって、それがトライブに渡ると、世界の平穏は崩れ去るし……
 など、色々ぐちぐち考える。
 ともあれ、悲しみを抱えつつも、ひとまず家族とのひと時を過ごす。
 これが空たちが味わえた、最後の平穏。
○そしてこの夜、空たちはリンの夢を見る。
 『私はまだ消えてはおらぬ。迎えに来てくれ』
 空だけではなく、皆同じ夢を見る。夢の意味について考える空たち。

 


----<ストーリー断章戦『愛しき日常』前>----
○そんなある日、駆馬・美丹・真琴・阿廉・雅の両親が、同じ日に全員殺される事件が起きる。
 犯人は不明。警察の捜査でもわからない。だが空たちは現場に魔粒子の残滓がある事に気づく。
 空たちにしかわからないやり方(魔粒子で文字を残すなど)で、アーテルの伝言が残っている。
 『平穏に帰る? 魔術師にそんな贅沢が許されると思ってるのか?
  じきにまたお前たちの出番は来る。そこで戦うのがお前たちの役割だ。この悲劇を糧に得た力でな。
  それでもなお平穏を取り戻したけりゃ、諦めずに境界の魔女を探しな。奴が最後の鍵になる』
○恐らく例の『襲撃者』だと、空たちは思う。
 全てを失い、自分たちの無力さ・甘さ・愚かしさなどを痛感しながら、両親の葬儀を執り行う。
 家族を失った空たちは、全員第二覚醒。
 そして今度こそ、平穏を取り戻す事を誓う。
 またその意志に呼応するように、少しずつ魔力を取り戻し始める。

 


----<ストーリー断章戦『愛しき日常』>----
○空たち、完全回復。襲撃者及び消えた断章を探して動き始める。
 リンの死に場所に花を供え、襲撃者の情報を得るための旅に出る。
 日本の各トライブの魔術師について探り、襲撃者らしいのがいないとわかると、アメリカに渡る。
 (状況から考えて、犯人はナハトブーフではありえない。ナハトブーフ級の魔術師が、他にもいると判断した)

 


----<ストーリー断章戦EX『Beast awakens』前>----
○空たち、ラプラスと個人的に再会。これまで起きた事を話す。
 情報提供と交換に、赤の特別訓練場で常軌を逸した戦闘訓練を受ける。
 これは断章戦EXが終わるまで続く。

 

 

----<ストーリー断章戦EX『Farewell』後>----
○空たち、日本に帰国。
 襲撃者の情報も断章の情報も、相変わらず無し。
 止む無く独自に情報収集するが、成果は全くなし。

 


----<ストーリー断章戦EX『それぞれの明日』>----
○空たち、代理人の話を持ち掛けられる。
 断章の手がかりを得るため、これを受ける。
○真琴・阿廉・雅は、別働隊となる。
 異端教会、シュバルツイェーガー、ウィザーズインクの各トライブ本部に
 身柄を確保。空たちが勝手な行動を取らないための人質とされる。
○しかし真琴たち別働隊は、それにもめげず、それぞれ本部で情報収集をする。

 


----<ストーリー黄昏編第四話『未来の悲劇』(※以下、作品完結後の付記)>----

○降魔による各トライブ本部の一斉襲撃発生。

 別働隊3名はそれぞれ、本部防衛戦に参加。重傷を負うも生存し、空たちに希望を託す。
 


----<ストーリー黄昏編最終話『三つの色で悲劇を断ち切る』後>----

○最終決戦の後、本隊も別働隊も故郷に帰り、6人が再会する。

 彼らも彼らの平穏に帰る。

 

 

 

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