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Tips

(資料室)

 

 

ここではストーリーやクエスト等の中で明かされた世界設定のうち

ヘルプにも公式設定資料にも記述されていない設定等を、抜粋し列挙します。

 

なお本作は基本的には、各ストーリーごとの連続性はありませんので、

一部ストーリーと記述の齟齬が出てくる可能性も有り得ます。

なので一種の読み物・物語考察の一助として、ご覧頂ければ幸いです。

 

 

 

 

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<ストーリー内で語られた世界設定>

 

 

〇白のトライブ『異端教会』創設の歴史 / ストーリー【魔を呼ぶアクセサリ5】他

 世界で最初のトライブ、異端教会創設の中心となったのは、『アリア・ローゼンクロイツ』という魔術師である。

 事の始まりは15世紀半ば。欧州で大きな窓が開き、そこから流れ込んだ魔粒子により、多くの魔術師が生まれた。

 だがその魔術師たちの大半は、キリスト教会関係者の魔女狩りの対象になった。

 その迫害は約30年にもわたって続いた。

 そうして無数の魔術師が狩られていく中、魔術師たちの救い手として現れたのが、アリアである。

 彼女の固有魔法は、あらゆる攻撃を無力化する能力。アリアはその力で、幾度も教会の追手を退けた。

 やがてアリアの力の前に、魔術師たちの根絶を諦めたキリスト教会は、方針転換。

 それまで悪魔の力としていた魔法を『神の奇跡』と賛美することにより、魔術師たちを聖人に祭り上げ、

 取り込もうと試みた。

 だが憎き教会に取り込まれる事を嫌った魔術師たちは、自らをあえて『異端』と称し、自分たちの教会を設立。

 キリスト教会と相互不可侵の密約を交わして、安寧を得た。

 これが異端教会設立の歴史である。

  ※最古の魔女トリスタニア・アルブス、魔術師レオン・アーデルハイムも、アリアと共に創設に尽力した。

   またアリアはこの一連の流れの最後に命を落とし、遺物『聖域の薔薇』となった。

   アリアの遺物は現在も、異端教会オルレアン本部の十字架に絡みつき、白の本拠地を守り続けている。

  ※またトライブ設立当初は『魔術師の保護』のみを主目的としていたが、その後様々な経緯を経て、

   『落とし児や邪悪な魔術師の手から一般人を護る事』を、トライブの使命の一つとして掲げるようになった。

 

 

 

〇黒のトライブ『シュバルツイェーガー』設立の歴史 / クエスト【黒の魔術師との出会い】+補足

 異端教会には設立後300年程に亘り、白・黒・赤の魔術師が混在していた。

 それらの魔術師の中には、一般人による迫害や弾圧を受けた者も多数いた。

 当時、異端教会はすでに『一般人の庇護』をトライブの使命として掲げていたが、その思想に賛同できない

 魔術師たちがいたのである。

 その中で、一部の黒の魔術師が異端教会を脱退し、新たに設立したのがシュバルツイェーガーだった。

 設立者はヨハン・シュバルツシュミット(トライブ設立後、ヨハン・シュバルツイェーガーと改名)。

 設立の経緯から『いつか虐げられた魔術師を解放し、人類の上に君臨させる』事を長年の悲願として掲げている。

 

 

 

〇赤のトライブ『ウィザーズインク』設立の歴史 / クエスト【或る魔術師の記憶】+補足

 二次大戦末期のドイツにて、当時シュバルツイェーガー所属だった赤の魔術師アルバート・パイソンが、

 色々と思う所あって、同種の仲間と共にアメリカに亡命した。

 アルバートたちはそこで『白のように一般の人々を護る事はなく、黒のように魔術師の解放を目指す訳でもなく、

 ただ自分とトライブの力をとことん伸ばす』のを基本行動原理とする、第3のトライブを設立した。

 これが赤の魔術師のトライブ、ウィザーズインク創設の経緯である。

 やがてトライブの運営が軌道に乗ったところで、アルバートは引退。

 最強の用心棒兼代表者を失うも、優秀な後継者たちによって、トライブの運営は滞りなく続けられていった。

 

 

 

○白の魔人・魔女とは / メインクエスト【高天原兄妹の信念】他

 白の魔人と魔女は、異端教会の理念の体現者である。

 選考基準は人格・潜在魔力量・固有魔法の性質等。これらを総合的に見て、異端教会のシンボルに

 成り得ると判断された者が選ばれる。選考時点での能力は必ずしも重視されない。

 また白の魔術師は他の魔術師に比べて長命(『不老延命』という魔法によって長寿を得られる)なので、

 幹部はじっくり育てる方針。

 若いうちから魔人・魔女の称号を与え、厳しい戒律の下で修業を積ませる事により、教会を背負って立つ

 人材を育成する。祈と衛示の長い修業は、まだ始まったばかり。

 なお二つ名襲名時には、体のどこかに自分の先代の魔人魔女の遺物を縫い込む(埋め込む)のが習わし。

 同時に先々代の魔人魔女の遺物は、異端教会本部に保管される事となる。

 

 

 

○黒の魔人・魔女とは / ストーリー【世界は色を変えていく】

 黒の魔術師は、『合成』の力によって、他の魔術師の遺物を体に取り込める。故に黒のトライブには『自分が死ん

 でも、己の力と意志は後進の者に受け継がれる』という思想がある。

 そして黒の魔人魔女の使命は、生涯通じて戦い抜き、己の力とトライブの勢力を、可能な限り伸ばす事。

 戦いの果てに死ぬ事も使命に含まれる。

 (幹部死亡により第二覚醒する者が多数出ると、結果として黒の戦力が強化される為)

 そのため、黒の魔人魔女は基本的に短命。就任も早いが、たいてい20代前後で死ぬ。

 なお魔人は『メフィスト』姓を、魔女は『ファウスト』姓を襲名する。

 

 

 

○赤の魔人・魔女とは / ストーリー【世界は色を変えていく】

 レビ・マクスウェルが『赤の魔人』として負っていた使命は、

 『ウィザーズインクを護る事。いかなる手を使ってでも赤の魔術師たちの居場所を護り続ける事』。

 押し付けられた使命ではあったが、レビはその為に戦い抜いた。

 

 

 

○隣世とは何か

 現世の隣にある別の世界。内部には白黒赤が混合した魔粒子が充満している。

 時折現世と隣世を隔てる『境界の壁』が局所崩壊する事により、『窓』が開く。

 魔粒子は人間の想念を伝播する性質を持っているため、現世に棲む人間の想いや記憶は、隣世に蓄積していく。

 隣世はいわば、人間の集合意識によって形作られる世界とも言える。

 現世が物質の世界ならば、隣世は精神の世界。『窓が開く』とは、精神と物質の境界が崩れる現象とも考えられる。

 それ故に人は魔法を使えるようになるし、落とし児の様な物理的に説明しがたい生物も発生する。

 

 

○隣世の深層とは何か

 現世に棲む人々の想念は、魔粒子を介して隣世に伝播・集積する。

 その中でも特に邪悪な想念は、隣世の深層に流れ、降り積もっていく。

 故に隣世の深層は、悪意と殺意と憎悪に満ちた、狂気の世界と成り果てている。

 

 

○降魔とは何か

 隣世の深層には、悪意に満ちた高エネルギーの魔粒子が充満している。

 これが稀に形を成し、意志を持つ事がある。こうして自然発生する生物が『降魔』である。

 いわば隣世そのものが生み出した落とし児とも言える。

 別の世界で生まれ、この世界に降り来る魔物。かつて悪魔と呼ばれた存在に、最も近い者である。

 落とし児が、己の頸木となる『親』を殺すように、降魔たちは自分を生み出した『現世』を滅ぼす事を願う。

 

 

 

○大いなる敵=隣神について

 かつて魔術師レオン・アーデルハイムが隣世の深層で遭遇し、致命傷を負いつつも封印した怪物。

 『創造』『増強』『分断』『合成』『解析』『操作』の全ての能力を自在に操る、いわば魔術そのものである。

 その正体は超高エネルギーの魔粒子が寄り集まり、意志を持った、肉体のない怪物。

 それ故に最強の魔術師レオンも、現代の魔術師たちも、一切傷を負わせることは出来なかった。

 だがトリスタニアが己の肉体と隣神を『合成』する事により、ダメージを与える事が可能になった。

 トリスタニアが死亡すれば、彼女の体内魔粒子(隣神含む)は結晶化し、遺物となる。

 その遺物を破壊する事が、恐らく隣神を斃す唯一の方法である。

 

 

 

○魔術師の真の悲劇

 魔法とは想いの力。故に人の心を強くする要素は、全て魔法の強さに直結する。

 他者との絆や愛情によっても、魔力は強くなる。

 だがそれより闘争と悲劇の方が、遥かに魔術師を強くする。

 『魔術師は傷つけ合う事で強くなる。故に隣神との決戦の直前まで、闘争を続けなければならない』

 それこそが魔術師全てを包む、真の悲劇だったのである。

 

 

 

○『夜の書』について

 世界の秘密が記されているとされていた魔導書『夜の書』。

 その正体は、異端教会創設者の一人、魔術師レオン・アーデルハイムの遺物。

 レオンの死の顛末が記されていると共に、彼の最期の想いが、怨念のように込められている。

 その所持者となった者は、莫大な魔力と引き換えに、己の心を失う。

 そして自分なりの手段で、『大いなる敵』の手から世界を救う為の行動を取るようになる。

  ・トリスタニアの例:3トライブの秩序ある対立構造を保持し、魔術師を鍛えてきた

  ・ナハトブーフの例:境界の壁を破壊し、現世の魔術師を大幅に増やそうとした

            またそれ以外にも様々な方法で、魔術師を増やし鍛えようとした

  ・ニナの例:鍛えられた魔術師たちを全て殺害し、遺物化して己の身に取り込もうとした。

 なお所有者となった者(夜の書による人格変貌が完遂された者)が書を放棄した場合、

 増大した魔力は元に戻るが、変容した精神は元に戻らない。
  ※故に次々と所有者を変え、複数の魔術師の魔力を強化する事は、できないに等しい。

  ※夜の書争奪戦の際には、書に触れた複数の魔術師が第二覚醒を遂げたが、

   これは元より彼らが強固な信念と、一定量の魔力を持っていた精鋭魔術師だったから

   起きた稀有な出来事であり、同様の現象をまた起こせるとは限らない。

   夜の書は触れる事自体、非常に危険な存在なのである。

  ※現在は七つの断片に分断され、各トライブの魔術師が所持している。

 

 

 

○魔術師レオン・アーデルハイムについて

 異端教会創設者の一人。

 1552年、隣世の謎を解き明かす為、窓の彼方へ旅立った。

 そうして辿り着いた隣世の深層で、『大いなる敵=隣神』に遭遇。

 致命傷を追いつつも、隣神を封印した。

 しかしその封印もいずれ解ける為、魔術師達に隣神の事を伝えようと、現世に帰還。

 だがその直後に力尽き死亡。遺物『夜の書』となった。

 

 

 

○無色の間について

 トリスタニアの居住地『無色の間』への道は、今も開かれたまま。

 アルバートの店に造られた通路によって、自由に行き来できる。

 

 

 

○調停者の条件

 トライブ所属の魔術師が、トライブを抜けて調停者になる事は可能。

 ただそのためには、ある『条件』を満たしてなければならない。

 条件の内容は、

  ①3大トライブに所属していない事、あるいは関係が薄い事、もしくは全トライブと敵対している事

  ②魔術師全体の利益と、世界の平穏を確保する為に努める事

  ③魔術師世界の法を破った者、全トライブ共通の敵となる者を、任意に抹殺できる力と意志がある事

 この中で特に重要な条件は③。世界の敵となる魔術師を殺せなければ、調停者にはなれない。

 

 

 

○魔人・魔女とは

 魔術師が第二覚醒を遂げると、体細胞が変化し、より多くの魔粒子を体内に蓄積できるようになる。

 その変異の度合いは人間の範疇を超え、生物学的にヒトとは別の生物となる。

 魔術を使う者『魔術師』ではなく、落とし児(かつて悪魔と呼ばれていたもの)に近い存在。

 故に『魔人・魔女』と呼ばれる。

 魔術師が魔人魔女となった時、新たに得る特性は2つ。

   ①体内に蓄積できる魔粒子量=魔力の上限が劇的に上昇する

   ②遺物使用時に、その遺物の元となった魔術師の固有魔法を使えるだけではなく、

    遺物から魔力そのものを引き出せるようになる。

    イメージ的には、レベル25の魔術師が、生前にレベル12だった魔術師の遺物の魔力を引き出すと、

    25+12=レベル37の魔術師相当の力を発揮できる。

 故にもし、現存する全ての魔術師が殺し合い、その中からたった一人の最強魔術師が生まれた場合は、

 その魔術師は全ての死者の固有魔法を使えるようになり、魔力は全魔術師の魔力量を合計した天文学的数値になる。

 ただし②の能力は、使用すると遺物が消耗する。使い続けると遺物は消えてしまう。

 一時的な強さは得られるが、長い目で見るとデメリットが大きいので、魔人魔女はあまりこの能力を使わない。

 本当にいざという時の切り札としている。

 

 

 

○各トライブ本部の現在状況 / ストーリー【再び運命が動き出す】

 東京も大変な状況だが、白と黒の本部がある欧州は、そちらはそちらで大変。

 ナハトブーフが境界の壁を破壊して以来、欧州では次々と窓が開いており、東京と同様の状況になっている。

 赤の本部の面々は、白黒の抗争に適度に横槍を入れたり、漁夫の利を狙いつつ、欧州進出を画策中。

 海外もまた激戦区なのである。

 

 

 

 

 

○決戦級遺物『ヘキセンリート(和名:魔女の詩)』 / ストーリー【新宿の死闘】+補足

 初代黒の魔女フロイライン・ファウストの遺物にして、戦局を左右する程の力を有する品。

 魔女狩りが激しかった中世時代、一般人たちの迫害と無理解と暴力に曝され、落命しかけた一人の少女が、

 死の直前で覚醒した。そんな彼女の力と固有魔法と、怨嗟と殺意と憤怒と祈りが、この遺物には込められている。

 100年前の白黒全面抗争の際に使用されて以降、長年黒の切り札としてシュバルツイェーガードイツ本部に

 保管されていたが、このたび解禁され、ニナ・ファウストの体内に取り込まれた。

 現在は魔力が枯渇し、砕け散って消滅した。

 

 

 

〇トリスタニアと3種の魔法 / ストーリー【世界は色を変えていく】+補足

 三重人格の魔女トリスタニアは、その特殊な精神構造と肉体的適性により、白・黒・赤の魔法を全て使用できる。

 体細胞と頭脳には3色の魔粒子が全て蓄積されており、人格ごとに得意とする魔法が変わる。

 人格と合致しない色の魔法は、威力が大幅に下がる。

 固有魔法も3種類あり、一応どの人格の時でも、3つの固有魔法を全て使う事はできる。

 だが白の固有魔法『遍在の眼』はアルブスが、黒の固有魔法『遍在の身』はアーテルが、

 赤の固有魔法『遍在の声』はルーフスが、それぞれ最も得意とする。

 それ以外の2つの固有魔法は、効果が劣化する。

 例:アーテルが『遍在の眼』を使った場合:視覚が極度に広がるが、得たい情報の検索はできない。

   アルブスが『遍在の声』を使った場合:眠っている者にしか語り掛けられない。

 

 

 

〇魔法消去能力者について / 小説【変貌する世界と魔術師たち】他

 魔法消去能力者は、魔術師世界の歴史の中でも、極めて希少である。

 特に対象の魔法を打ち消す『ディスペル』系魔法は、魔法消去効果を持つ遺物『解呪の秘石』を

 ナハトブーフが使った時でさえ、『自分でも使用困難な力』と評したほどである。

 他のディスペル系能力も遺物も、それぞれ使用の制限やリスクなどが多く、容易に使えはしない。

 まして通常魔法として魔法消去能力を持つ者は、基本的に皆無に近い。

 3種の魔法及び個々の魔法の発動原理そのものをほぼ正確に理解し、その上で魔法消去の術式を理論構築し、

 かつそれを実現する技術と経験がなければ不可能な、超高等魔法である。

 

 

○白の汎用魔法十六術式 / ストーリー【陽だまりの中で】+補足

 過去の魔術師によって開発・術式化され、どの魔術師でも習得・使用出来るようになった魔法がある。

 それらは各トライブに伝えられ、必要に応じて所属魔術師に伝授される。

 異端教会に伝わる十六種の汎用魔法を、今更ながら以下に列挙する。

  ①武器創造:武器などを創造する。使い慣れてる物や構造を理解している物ほど、創造成功率が高い

  ②魔法防壁:術者の能力に応じた強度の壁を創造し、敵の攻撃等を防ぐ。武器創造の応用

  ③身体治癒:対象者の治癒能力を高め、傷を癒す。ただし流出した血液は戻らない

  ④身体強化:対象者の身体能力を高める。白の魔術師の戦闘力を支える重要魔法

  ⑤生物創造:いわゆる人造生物創造魔法。『核』が無ければ使用不能

  ⑥武装強化:物理・魔法関わらず、対象の武装を強化する

  ⑦身体浄化:対象者の抗体の働きを活性化させ、毒物等を排出する

  ⑧強制安息:対象者の睡眠ホルモンの働きを活性化させ、強制的に眠りにつかせる。魔術師には効果が薄い

  ⑨攻勢障壁:魔法防壁の強化版。攻撃を受けると自動的に反撃する壁を創造する(反撃内容は術者次第)

  ⑩魔力授与:対象者に魔力を分け与える。一般人には効果なし

  ⑪偶像操作:自身が創造したものを自在に操ったり、形状を変化させる。赤っぽいが白の魔法

  ⑫自動回復:常時、弱効果の『身体治癒』を使い続ける。ゆっくりとではあるが傷が癒される

  ⑬生命保護:対象者の生命維持に必要な器官を魔粒子で保護し、大ダメージを受けても生命だけは保つ

  ⑭成長加速:自身の魔力成長率と引き換えに、対象者の魔力成長率を高める

  ⑮概念防壁:黒の概念分断魔法に対する防壁を張る=効果範囲内で概念分断魔法が使用不能になる

  ⑯不老延命:年を取らなくなり、寿命が極めて延びる。最高難度の汎用魔法

    ※以上、基本的に下に行くほど、使用難易度が高くなる。

    

 

 

○黒の汎用魔法十二術式と秘技四種 / ストーリー【陽だまりの中で】+補足

 シュバルツイェーガーに伝わる十二種の汎用魔法と四種の秘技を、以下に列挙する。

  ①物質合成:任意の物質を合成する。応急治療などにも使える

  ②物質分断:任意の物質を分断する。黒の攻撃魔法の基本にして奥義

  ③空間合成:任意の地点AとBを合成し、四次元的に移動する

  ④空間分断:任意の空間を分断し、閉鎖空間を作り出す

  ⑤重力合成:重力を合成し、任意の地点に重力場を作り出す

  ⑥重力分断:重力を分断し、無重力空間を生み出す

  ⑦記憶合成:自分の記憶と他者の記憶(精神)を連結し、記憶共有を行う。術者の能力に応じ傀儡化等も可能

  ⑧記憶分断:対象者の記憶を任意に分断消去する。一般人には効果が高いが、魔術師にはあまり効かない

  ⑨魔粒子合成:魔粒子の持つエネルギーなどを合成する。複数の魔法を合成したり、他者の魔力回復に使える

  ⑩魔粒子分断:魔粒子の持つエネルギーなどを分断する。術者の能力に応じて、魔法封じなどにも応用可能

  ⑪概念合成:形をもたない物を合成する。黒の魔術の神髄であり、無限の応用性がある

  ⑫概念分断:形をもたない物を分断する。こちらも無限の応用性がある

  A.霧纏う牙:剣や銃弾や自分の肉体などに黒霧を付加する。秘技というほど難しくなく、基本的に誰でも使える

  B.闇の刃:黒霧を収束し、指向性を持たせた上で、高速かつ遠距離に射出する

  C.宵の早霧:指向性のない黒霧を広範囲に展開する。魔法効果はかなり低くなるが、範囲攻撃に向く

  D.黒の嵐:合成の力により空気を圧縮・解放する事で衝撃波を発生。そこに分断の黒霧を付加、全方位に放射する

    ※以上、下に行くほど難易度が高くなる。

 

 

◎赤の汎用魔法十六術式 / ストーリー【陽だまりの中で】+補足

 ウィザーズインクに伝わる十六種の汎用魔法とその正式名称を、以下に列挙する。

  ①熱量操作+:任意の物質や空間の熱量を上げる。火球生成などに使える(アーデルハイムの火)

  ②熱量操作-:任意の物質や空間の熱量を下げる。冷気放射などに使える(アーデルハイムの氷)

  ③電流操作:大気中の静電気などを操作する。電撃放射などに使える(ボイドの雷)

  ④気体操作:気体の組成や流れを操作する。熱量操作等と組み合わせる事で効果が増す(アーデルハイムの風)

  ⑤身体操作:自分の体を魔術的に操作し、身体能力を無理やり向上させる(ロリンズの身体操作)

  ⑥体内物質操作:アドレナリンなどの体内物質を操作する(美間坂の人体化学)

  ⑦身体転移(自):自分を任意の地点に転送する(スタンリーの身体転移)

  ⑧光学迷彩:自分の周囲の光を屈折させ、姿を消す(霊虎の迷彩)

  ⑨重力操作:任意の地点の重力を操作する(フリードマンの重圧)

  ⑩遠隔盗聴:任意の地点の音声を遠隔盗聴する(ネルソンの遠隔盗聴)

  ⑪身体転移(他):自分以外のものを任意の地点に転送する(ジェイコブスンの他者転移)

  ⑫遠隔視:任意の地点の光景を遠隔視する(ネルソンの遠隔視)

  ⑬運動ベクトル操作:任意の物体の運動ベクトルを操作する(ベーサレルの刻呪)

  ⑭質量操作:任意の物質の質量を操作する(ウェストウッドの世界改竄)

  ⑮思考解析:対象者の思考を解析する(ヴァレンコフの聖域侵犯)

  ⑯老化抑制:自身の老化を抑制する。最高難度の汎用魔法(パイソンの悪足掻き)

    ※以上、下に行くほど難易度が高くなる。

    ※いずれの魔法も、自分のいる位置と効果発生個所が離れる程、効果が急速に低下していく傾向にある。

    ※また汎用魔法は基本的に、同一・類似効果の固有魔法より効力が落ちる。

 

 

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<ストーリー内で語られた人物関連の情報>

 

 

〇ニナ・ファウストとフリッツ・メフィスト / ストーリー【Epitaph】他

 ニナがナハトブーフに拾われた頃、すでにフリッツはナハトブーフの弟子をやっていた。

 その後、二人は長年に渡り、家族同然に育った。

 当初はニナはフリッツの事を『フリッツお兄ちゃん』と呼んでいたが、後にその呼称を封印。

 それどころか『忌まわしい記憶』と言って、触れられることも好まなくなった。

 黒の魔女としての示しや心のすれ違いなど、様々な要因が重なった結果だが、フリッツの死後は心境が変化。

 フリッツに対し深い家族愛を抱いていた事を、改めて自覚する。

 

 

 

○エスティ・ラプラスとレビ・マクスウェル / ストーリー【静穏の彼方】他

 ラプラスとマクスウェルは、表向きはただの仕事上のパートナー、あるいは年の離れた友人という程度だった。

 しかし実際にはその絆は極めて強く、マクスウェルは常にラプラスを護ろうとし、

 ラプラスもマクスウェルを護ろうとしていた。

 内心をほとんど見せる事なく、赤の魔人魔女の使命を忠実にこなしてきた2人だが、

 死に直面した際などには、それぞれの心情を吐露する事がある。

 2人は恋人でも家族でもなかったが、魂で繋がっていた。

 

 

 

〇高天原衛示とフリッツ・メフィスト / クエスト【護るべき者】他

 衛示はフリッツに師匠を殺されたが、復讐は望んでいなかった。

 フリッツを憎んではいたが、憎悪の連鎖を自分のところで断とうと思っていた。

 またフリッツの心に内在する人間への憎悪をなんとかして解消し、救済したいと思っていた。

 だがそれが果たされるどころか、ろくな対話も行われぬ内に、フリッツは死んだ。

 衛示はその事を今も悔い、同じことを繰り返さない為にも、不殺の誓いを立てた。

 

 

 

〇高天原祈と使い魔もふ / ストーリー【Friedens Vertrag】

 祈の固有魔法は『もふ創造』であり、もふが死んでもその気になれば、いくらでも新たな個体を創る事ができる。

 しかし祈はそのような事をせず、もふがピンチになったら、切り捨てずに助けようとする。

 祈の優しさと、使い魔という存在に対するスタンスの表れだが、時にその甘さが批判の的ともなる。

 

 

 

〇宇和島空たちと高天原祈 / 小説【境界の魔女と眠り児たち】~ストーリー【獣の世界で信念を貫く】

 かつて境界の魔女リンの力を3大トライブが狙った時、祈は空たちと共に、リンを護る為に尽力した。

 白上層部の意向は『リンの殺害及び遺物の入手』だったが、それに逆らう形で行動した。

 空たちはこの時の事を、今でも恩義に感じており、祈に対しては感謝と戦友意識が強い。

 

 

 

〇宇和島空たちとエスティ・ラプラス / 小説【境界の魔女と眠り児たち】、ストーリー【愛しき日常】他

 境界の魔女リンが生きていた頃、赤のトライブも、リンの力を狙って動いた。

 この時、ラプラスはリンの保護を持ちかけると共に、トライブ間の抗争への協力を要請したが、リンはこれを拒否。

 理由は『境界操作を乱発すると、多量の魔粒子が現世に流れ込み、無数の落とし児が生まれ魔術師も増え、

 世の平穏が崩れ去るから』という事だった。空たちもこれに同意した。

 ラプラスはこれを受け、力づくでリンを捕獲(≒遺物化)しようとするも、それはあくまで『赤の魔女』としての

 行動であり、個人的には全く気が進まない仕事だった。

 任務を放棄する事はなかったものの、心情的にはリンと空たちに肩入れしていた。

 そんなラプラスの内心と性格を、空たちは後に理解し、今では一定の信頼を抱いている。

 

 

 

〇先代黒の魔人 / ストーリー【黒幕っぽいヤツが動き出す】

 記憶操作の達人。彼の固有魔法『エーフォイスパイヒァ』は、あらゆる者(無機物含む)の記憶を自在に読み、

 かつ思うままに書き換える、記憶操作系の固有魔法の中でも最強レベルの能力だった。

 その能力を駆使して幹部の地位まで上り詰めたが、あまりに危険過ぎる能力ゆえ、

 同トライブの仲間にも警戒されていた。

 性格的にも弟子を取るタイプではなかったので、フリッツの師にはナハトブーフがなった。

 

 

 

 

〇不死の魔人ナハトブーフの覇道 / 小説【境界の魔女と眠り児たち】~ストーリー【Ferewell】

 ナハトブーフは『夜の書』を読んだ後、いつか現れる『大いなる敵』に抗う為、その生涯を捧げた。

 その為に行った事の具体例は、

  ・自分の計画を円滑に進める為、半世紀ほど黒のトライブに在籍し、己の力を磨き足場も固めた。

  ・計画の進行及び、大いなる敵との最終決戦に備え、傀儡化魔術により自分の『駒』を増やした。

  ・後々黒のトライブを牽引する者とするため、ニナとフリッツを育て上げた。

  ・リンの遺物の力で境界の壁を破壊し、世に魔粒子を満ちさせ、魔術師を増やそうとした。

  ・またそれに伴い、魔術師が一般人に不当に抑圧されている状況を改善しようとした。

 境界の壁を破壊した後は、黒のトライブを離れ、在野の魔術師として行動した。

 その時期に行った事は、

  ・魔術師としての適性を持つ者に、自らの使い魔を差し向け、覚醒のきっかけを作った(明日見秀らの件)。

  ・リンの遺物を再び手に入れ、3トライブを力で以って統一し、大いなる敵に挑む為の軍勢を作ろうとした。

   (これはフリッツの目的に近いが、その為の犠牲を一切厭わなかった為、フリッツに反発された。

    フリッツは魔術師全般を愛し、かつ人間を憎悪し過ぎて逆に『人間がいないと困る』とすら思っていた為)

 これがナハトブーフの覇道の経緯である。

 しかしその生涯の終盤は、自身の固有魔法『不老不死』の副作用により、精神が力への渇望に侵食され、

 本来のナハトブーフとはかけ離れた怪物に成り果てていた。

 

 

 

 

○魔術師カール・ウルフェンシュタインの生涯 / ストーリー【託された未来】他

 夜の書を手に入れる前のナハトブーフは、カール・ウルフェンシュタインという名の、一介の魔術師だった。

 幼い頃に自分の命を救ってくれた境界の魔女リンの恩を忘れず、魔術を独学で研究する傍ら、

 リンを探し続けて来た。

 その動機には、リンに再会したい・成長した自分を認めてもらいたいという、秘めた想いがあった。

 だが夜の書を手に入れた時点で、本来の自分の心を失い、

 『リンを遺物化して己の身に取り込み、有効活用する事こそが、彼女に対する報恩である』と考えるようになった。

 幼きカールの想いが蘇ったのは、魔術師達の一斉攻撃を受け、ナハトブーフの肉体が滅ぶ瞬間のみだった。

 

 

 

 

 

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<本編と関わりの薄いその他の情報>

 

 

 

○境界の魔女リン亡き後の宇和島空たちの行動詳細 / ストーリー【再び物語が動き出す】他+補足

 境界の魔女の亡き後の宇和島空たちの行動を、一通りまとめる。

  ・境界の壁が崩壊した事を察知した高天原祈、エスティ・ラプラス、フリッツ・メフィストの

   接触を受け、詳細を尋ねられる。ありのままに起こった事を話す。

  ・その後、一応異端教会に身柄を保護され、空たちは日常に帰るだが思う所あり、魔術の腕を磨き続ける。

  ・その11ケ月後、リンの遺物の欠片(ごく小片)が、東京のあちこちで発見され始める。

   これをある程度予期していた空たち、状況を確かめる為に、一度東京に向かう。

  ・東京新宿区ウィズクラスにて、既に魔術師となった明日見秀と出会い、知己となる。

   また東京の現況を認識。リンの遺物を各トライブに渡すべきではないと判断し、

   自らの手で回収する事を決意する。

  ・一度地元に戻り、旅の準備を整える。行き先は東京、滞在期間は未定。

   そして紅沢駆馬の愛車フォルクスワーゲン・マイクロバスで東京に向かう。

    ※小説【変貌する世界と魔術師たち】ラストシーン

 

  ・その直後、トリスタニア・アルブスの接触を受ける。

   宇和島空たちが過去にナハトブーフを二度倒した事により、虐殺禁止原則の庇護対象外となった事実を

   聞かされ、トライブの意志に反する行動を取った場合は、再び危険な立場に置かれると警告される。

   それでもなお断章を追いたいという空たちに、アルブスは以下の約定を持ちかける。

   『身柄を調停者預かりとし、トライブ所属魔術師との直接戦闘やトライブへの参加を禁ずる代わりに、

    身辺の安全を護る』

   得体の知れないものを感じる空たちだが、その提案を受け入れる。

   (これにより、空たちが交戦可能な魔術師は、ナハトブーフを初めとする在野の魔術師のみになる)

  ・空たち、祈の元へ行き、正式に異端教会の保護から外れる事を告げる。祈は空の意を汲み、それを受ける。

   せめてもの餞別として、共通の知人である白の魔術師三神征一の遺物が、祈から空に手渡される。

 

  ・空たちの物語の裏での流浪生活が始まる。

   目的はリンの遺物を手に入れる事と、ナハトブーフを完全に倒す事。

   その旅の中で、ニナと遭遇したり、ラプラスと密会したり、法を無視したフリッツに襲われたり、

   鴉とフリオに魔法の特訓を受けたり、アルバートにも特訓を頼んで断られたりした。

   またその過程で大量の落とし児と戦い、少数の在野の魔術師と戦い、果てはナハトブーフとも戦い勝利した。

   この戦いで『空色の断章』と、幾つかの遺物も入手した。

    ※ストーリー【絶望の地下迷宮】直前

 

  ・そして上記の一連の活動の中で、空たちは密かに、トライブ所属の魔術師たちを観察していた。

   その中には信頼できる魔術師もいると判断し、接触を試みた。

   しかしその途端、トリスタニア・アーテルが空たちを襲撃。魔力を分断し、表舞台から外した。

   (この時点で空たちがトライブと共闘する事は、望ましくないとアーテルが判断した為)

 

  ・わけもわからず戦闘不能にされた空たちは、断章もアーテルに奪われ、長期入院する。

   退院した頃には、ナハトブーフは各魔術師に倒され、リンの遺物は隣世で散逸して消えていた。

   その事実を、祈から後になって聞かされる。

  ・目的を失った空たちは、抜け殻のようになる。

   このまま全てを忘れ、日常に帰ろうと思ったある日、リンが空の夢枕に立つ。

   「私はまだ消えておらぬ。迎えに来てくれ空」

   その夢を、他の仲間たちも同じ日に見る。夢の意味について考える空たち。

  ・さらにその直後、駆馬たちの家族が一夜にして皆殺しにされる大事件が発生する。

   現場にはアーテルのものと思しき、魔粒子によるメッセージが残されていた。

   「平穏に帰る? 魔術師にそんな贅沢が許されると思っているのか?」

   かつて自分たちを叩きのめした魔術師と同一人物だと悟った空たちは、

   必ずや犯人の正体を突き止め、リンの遺物も取り返す事を決意する。

   またこの悲劇により、全員第二覚醒する。

 

  ・リンの死に場所となった河原に花を供え、再び故郷を旅立つ空たち。

   今度こそ、全てが終わるまで帰らない決意をする。

    ※ストーリー【愛しき日常】

  ・ここからの詳細は若干省略するが、いくつかの行動の後、最終的に各トライブの代理人となる。  

 

 

 

○赤の魔人の系譜 / ストーリー【陽だまりの中で】+補足

 赤の魔人は当代で五代目である。初代からの人物略歴を以下に記す。

 

  ・初代『ロビン・マクスウェル(本名:ロビン・ウェストウッド)』

    飄々とした気さくな研究者。固有魔法は素粒子解析。

    ある日「白と黒の魔人がいるのに、赤の魔人がいないのはおかしい」と、当時ウィザーズインク社長だった

    アルバート・パイソンに提言。インク最高の頭脳を持っていた事もあり、その場で赤の魔人に任命される。

    また物理学における空想上の生物『マクスウェルの悪魔』と『ラプラスの悪魔』から、赤の魔人魔女は

    それぞれマクスウェル姓とラプラス姓を継ぐというお遊びも発案。万事適当なアルバートに承認される。

    だが学者としての実力は本物であり、相方と共に3種の魔粒子の科学的観測に成功した偉人。

    そして病で死亡する前に、赤の魔人と魔女の使命を制定。それは後世に受け継がれていく。

 

  ・二代『ラザフォード・マクスウェル(本名:ラザフォード・ヴィーウィー)』

    錬金系の固有魔法を持ち、ウィザーズインクの財力追及志向を推し進めた、ビジネスマン系魔人。

    ラスベガスにカジノホテルなどを建てて荒稼ぎするなど、インクの経済的発展に大いに寄与したが、

    最終的にベガスのマフィアを怒らせ、狙撃される。一般人に殺害されたインク史上唯一の魔人。

 

  ・三代『計人・マクスウェル(本名:美間坂計人)』

    物理学・生物学・脳科学者にしてマッドサイエンティスト。

    知能と実力は凄まじかったが、アルバートが脱けた後のインクの倫理観を破壊した男でもある。

    初代と同じ不治の病にかかった後、インクの組織維持の為、人為的魔人育成計画を発案。

    死の直前に四代目赤の魔人を造った。

    

  ・四代『レビ・マクスウェル(本名:レビ・サンドラー)』

    三代目赤の魔人の手により、脳外科手術と精神医療で、人為的に造り出された魔人。

    3歳で魔術師となり、7歳で第二覚醒。幼少の頃から戦い漬けの日々を送っていた為、

    10歳の時には既に、人間性を失った戦闘マシーンと化していた。

    しかしエスティ・ラプラスと出会い、交流を深めていく中で、人間性を回復。

    上記の経緯がある為、エスティには恋慕を超えた絆と庇護心を抱いていた。

 

 

 

○異端教会黎明期の魔術師たち / クエスト【夜の断章】+補足

 異端教会黎明期には、魔術師レオンと魔女トリスタニア以外にも、8人の強い魔術師がいた。

 それらは欧州各地の異端教会支部の長となり、魔術師の保護に尽力した。以下に名と略歴を列記する。

  ・『生命の魔術師』エレミー・ネヴァーモア:不老延命魔法の開発者で、人造生物創造の達人。

  ・『盟約の魔術師』アドルフ・メフィスト:後に初代黒の魔人となる魔術師。心に闇を抱える。

  ・『守護の魔術師』エリス・シャルバンティエ:守備系魔法のエキスパート。かなりの善人。

  ・『剛力の魔術師』二コラ・バンディーニ:身体強化魔法の開発者。フリオ・バンディーニの先祖。

  ・『神罰の魔術師』フローレンス・バンディーニ:二コラの妻。異端教会強硬派の源流。

  ・『日輪の魔術師』ミコト・タカマガハラ:日本からやってきた魔術師。高天原兄妹との関係は不明。

  ・『律法の魔術師』レビ・ベーサレル:赤の魔術師であり、律法学者。

  ・『異端の騎士』ヨセフ・ブルグ:武器創造と武装強化の専門家。異端教会に伝わるランス術の開祖。

 

 

 

〇超高齢魔術師たちの秘密 / 小説【境界の魔女と眠り児たち】+補足

 調停者たちや境界の魔女リンなど、一部の魔術師は100歳以上の超高齢でも、肉体的な若さを保っている。

 これもやはり魔法によるものである。

 まず異端教会には『不老延命』という秘術が伝えられており、これを会得した魔術師は、老いる事がなくなる。

 リンとフリオ・バンディーニは、この魔法を会得していた。リン曰く『全女性魔術師必携の超重要魔法』。

 また赤の魔術師も高位の者となれば、細胞老化作用等を魔術的に操作する事により、老化を抑制できる。

 アルバート・パイソンは、若い頃にこの術式を確立し、白の魔術師ほどではないが、それなりの長寿を得た。

 しかし黒の魔術師は、白や赤と比べ、老化抑制を苦手とする。若い肉体を保つには何らかの工夫が必要となる。

 御統鴉はその問題を解決するため、年齢操作を固有魔法に持っていた魔術師の遺物を入手した。

 ナハトブーフは固有魔法が『不老不死』なので、例外。

 

 

 

○永遠の魔術師『他化自在天 散華』 / クエスト【夜の断章】+補足

 室町時代に生まれた日本の魔法遣い。自ら天狗を名乗っていたが、分類上は赤の魔術師。

 『服用者の年齢を操作する丸薬を生成する』という、極めて特殊かつ強力な固有魔法を持っていた。

 魔術師レオンと魔女トリスタニアは、この魔術師から貰った丸薬により、不老の肉体を手に入れた。

 

 

 

〇魔法の科学的解釈 / 小説【境界の魔女と眠り児たち】~

 落とし児や魔法の謎を、科学的に解き明かす鍵となる事実や情報を、以下に列挙する。

  ・魔法は迷信ではなく、れっきとした学問であり技術。厳然たる因果律に基づいた、物理的な現象である。

   (或る魔術師の記憶より)

  ・魔粒子は分子よりずっと小さい粒子である。それは世界に満ち満ちている。

   (或る魔術師の記憶より)

  ・落とし児は、通常の武器では触れる事はできても、ダメージを与える事ができない。

   仮に竹刀で叩いた場合、打撃者は『鉄の様に硬く、ゴムの様に弾力がある。しかし傷一つつけられない』と

   いう感触を得た。

   つまり落とし児は、基本的には質量を持ち、運動の第3法則(作用反作用)の影響を受ける。

   触れる事ができるのに破壊できないという事には、作用反作用以外の何らかの理由が存在する。

   また触れる事すらできない落とし児がいるとしたら、そこにはまた別の理由がある。

   (境界の魔女と眠り児たちより)

  ・赤の魔人は『マクスウェル』姓を襲名し、赤の魔女は『ラプラス』姓を襲名する。

   (テーマコメントより)

  ・エネルギー保存の法則や熱力学第二法則などの基本的物理法則は、この世界にも存在する。

   (ヘルプ等より)

  ・1962年、赤のトライブは3種の魔粒子を科学的に観測した。

   (年表より)

  ・魔法とは『心の力』『意志の力』『想いの力』である。

   話者や文脈によって表現は異なるが、指し示す意味は全て同じである。

   (各シナリオ等より)

  ・全ての魔術的現象は、人間の精神活動が魔粒子に反応する事によって発現する。

   (世界設定、年表等より)


                 

 

○歌曲『暁は光と闇を分かつ』 / ストーリー【獣の世界で信念を貫く】

 トリスタニア・アーテルが口ずさんだり、自身の言葉の中に歌詞を引用したりする歌がある。

 それはある魔術師の調べにより、『暁は光と闇を分かつ』という実在の歌曲である事が判明した。

 歌詞の内容は絶望的で、魔術師達の運命を表しているようだが、最後の2行で希望を歌っているため、

 アーテルはこの歌を好んで歌う。

 本編と直接的な関わりは薄いが、以下にその歌詞を引用する。

 

  <暁は光と闇を分かつ:原詩>                             <和訳>

   L'alba sepera dalla luce l'ombra,                          暁は光と闇を分かち                                        

   E la mia volutta dal mio desire.                           我が望みから幸福を奪う                            

   O dolce stelle,e l'ora di morire.                            愛しい星よ 滅び行く時だ            

   Un pie divino amor dal ciel vi sgombra.                  聖なる愛が 空から汝らを消す                 

 

         Pupille ardenti,O voi senza ritorno                     燃えさかる瞳よ 二度と戻らぬ者たちよ                  

   Stelle tristi,spegnetevi incorrotte!                        悲しき星たちよ 清らかなまま姿を消してくれ                 

   Morir debbo. Veder non voglio il giorno,               私も死のう 昼など見たくない                           

   Per amor del mio sogno e della notte.               我が夢と闇への愛ゆえに                     

 

   Chiudimi,O Notte,nel tuo sen materno,            夜よ私を包んでくれ 汝の母なる胸に                             

   Mentre la terra pallida s'irrora.                              蒼ざめた大地が 露に濡れている間に

   Ma che dal sangue mio nasca l'aurora                    さもなくば 我が血から暁が生まれ                                 

   E dal sogno mio breve il sole eterno!                     我が短き夢から 永遠の太陽の生まれん事を              

  

 

 

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付録資料

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