

魔術師限定格闘大会
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「『ウィザーズ・ロイヤルランブル』参戦のご招待? なんだそりゃ?」
ある日、昼下がりのウィズクラス。
支倉響香が持ってきた手紙を見て、竜崎圭は訝しげな声を上げた。
響香はその手紙に書かれていた内容について説明する。
「要はウィザーズインク主催の、トライブ対抗格闘技イベントの案内状らしい。
いや、格闘技イベントというのは語弊があるな。
魔法はもちろん、武器もサブマシンガンくらいまでならなんでもあり。
要は『魔術師たちの全力バトル大会』だ」
「ちょっ、正気かよオイ!
それって大会つーか、ほぼ抗争じゃねぇか……死者とか出るんじゃねぇか?」
愕然とする竜崎に、響香が落ち着いた様子で答える。
「そこは心配するな、異端教会病院が協賛している。
白の魔術師たちが試合中の事故を防ぎ、怪我人の治療も全力で行うとの事だ。
心配なのは黒の魔術師たちだが、ニナが『これはあくまで試合だ、死者は出すな』と
命令したらしいので、恐らく大丈夫だろう」
「白と黒も絡んでんのか? この状況下で、衛示もニナもよく了承したな」
「白にも黒にも、この大会開催に同意する理由があるのさ」
響香曰く、実戦に限りなく近い試合を行う事で、自トライブの魔術師の力を伸ばしたい黒。
試合に参加する事で、ファイトマネーを得たい白。
そしてこの試合を通じ、他トライブの魔術師の戦力を分析したい赤……
理由は様々だが、3トライブの利害は一致した。
そこで赤が音頭を取り、一大イベントに発展させたというわけらしい。
響香はそう言って、懐から案内状の束を出す。
「私たちにも選手として、参戦の勧誘が来ている。
勝利したトライブには多額のファイトマネーと、大会MVPには遺物の授与まで行われるとの事だ。
参加不参加は自由だが、竜崎はどうする?」
その言葉に竜崎は、即座に答えた。
「出るに決まってんだろ、近頃実戦から離れて鈍ってたしよ。
お前はどうすんだ、響香? 出るとなれば、俺とは敵同士って事になるけど」
「当然だ、私も出よう。近頃低迷気味だった店の財政を、ファイトマネーで立て直してやる!」
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――そして同じ頃。
各トライブの魔術師にも、同じ案内状が届いていた。
陽光輝く夏の、格闘の祭典。『ウィザーズ・ロイヤルランブル』――
いま熱い戦いが始まろうとしていた。
▼行動選択肢
①選手として大会に参加する
②セコンドとして大会に参加する
③大会のスタッフとして参加する
④その他

純粋なバトル回、というかお祭り回です。
いつもの戦いとは違い、観客(各トライブの魔術師や従者)を大勢入れた会場で、
派手な格闘技イベントを開催したいと思いました。
明るく楽しく死者もなく、しかし皆が全力で強さを競う闘い。熱くハイテンションな、魔術と筋肉のガチバトル。
たまにはそんなノリのバトル回があってもいいのではと思いましたが、日程の関係であえなくボツに。やや無念です。