ここでは本作における、魔術師たちの歴史を、年表形式でご紹介します。
以下の設定は絶対的なものではなく、ユーザー各位によって自由に調整・解釈可能です。
魔術の歴史には隠蔽・捏造・誤解がつきものです。GMとPLの数だけ、世界は存在します。
あくまでシナリオ制作時などの、アイディアの種として、ご覧いただければ幸いです。
作中世界の歴史
【トライブ設立前の中世暗黒時代から、3トライブが和平を迎えた現代までの歴史】
<1449年>
○欧州にて巨大な『窓』が開き、大量の魔粒子が現世に流れ込む。
これにより魔術師が、欧州各地で大量に誕生する。
○急速に増えた魔術師たちに対し、キリスト教会某派が反発。
魔術師を狩る為の専門部隊を組織し、魔術師の弾圧に血道を上げる。
※これは欧州で『異端審問』『魔女狩り』が大流行したのと、時期を同じくする
<1482年>
○魔術師レオン・アーデルハイムとトリスタニア・アルブス、虐げられた魔術師たちを保護。
魔術師たちの安寧を護る為、フランス・オルレアンに、世界で最初のトライブ『異端教会』を設立する。
○異端教会とキリスト教会との間で、相互不可侵の密約が交わされる。
かくして魔術師たちの居場所が確立し、トライブの歴史が始まる。
<1518年>
○異端教会設立者レオン・アーデルハイム、20年以上かけて、魔導書『暁の書』を執筆。
それまで西洋で広まっていた魔術とは別の流れとなる、『新魔術体系』とでも呼ぶべき理論を提唱する。
・レオンはまず魔粒子を発見し、その性質をおぼろげながらも把握した。
曰く『魔粒子は魔術の源である。人の想いに反応し、心で思い描いた事を実現させる力をもたらす』。
・レオンはさらに、この世界に時折開く黒い穴のようなものから、魔粒子が流れ込んでくる事を確認。
その向こうに、自分達がいる世界とは別の世界が広がってる事を推察した。
また、2つの世界の間には、眼に見えない壁のようなものがある事を知覚。
そこから各用語を定義する。
・自分達のいる世界が『現世』、その隣にある別の世界が『隣世』。
・魔粒子によって通常の世界ではなくなってしまった場所は『異界』、現世と隣世の境目は『境界』。
・現世と隣世を隔てる不可視の壁は『境界の壁』。境界の壁に開いた穴は『窓』。
・魔術師に成り損ねた者が生み出す怪物を『落とし児』。
・未熟な魔法使用者(それまで魔術師と呼ばれていた者を含む)を『眠り児』。
・真の魔術の力に目覚めた者を『魔術師』。
・眠り児と魔術師の総称を『魔法使い』。
・魔術師が死亡時に遺す品を『遺物』と名づける。
・魔粒子が数種類あることや、魔術師になるための正確な条件などは不明のままだったが、
今日まで伝わる魔法学の基礎がここで確立される。
<1550年>
○異端教会、欧州各地に支部を立て、魔術師の保護を進める。
以降、世界各地に支部が広がっていく。
○レオン・アーデルハイム、魔術師の平穏が確定した事を見届けた後、隣世探索の旅に出る。
<1597年>
○強大な力と高い知性を持つ落とし児『ルー・ガルー』出現。パリ市民を襲撃する。
異端教会の魔術師たち、ルー・ガルー討伐に向かう。死闘の末、魔術師側が勝利する。
○事件収束後、それまで魔術師を保護する事を主目的としていた異端教会は、
戦闘集団としての側面を強化。現在の形のトライブが出来上がる。
<1599年>
○急速に勢力を伸ばす異端教会に対し、イングランド国教会はこれを『教会』と認めず、
『異端の種族(Heresy tribe)』と揶揄する。
以降、魔術師の集団については、内外で『トライブ』という呼称が一般化していく。
<1601年>
○異端教会の魔術師たち、魔粒子が少なくとも2種類以上ある事を確認する。
また魔術師が発現する一人一種の特殊な魔法を、『固有魔法』と名付ける。
更に前述のルー・ガルーのように、高い知能を持つ特殊な落とし児を『知的個体』と名付ける。
<1675年>
○異端教会の魔術師たち、魔術師になる為の正確な条件を、統計と経験則から割り出す。
曰く、
『魔術師になる為の肉体的・精神的適性を持っている事』
『一定量以上の魔粒子をその身に浴び、眠り児になる事』
『その上で、強烈なきっかけを伴う激情と共に、力を欲する事』
『なお自らの現状に満足している者は、基本的に魔術師にはなれない。
世界を変えたいと思うような何らかの理由、即ち悲劇的な経験が必要』
との事。
即ち、上記の条件を一言で言うならば、
『魔粒子を浴びて眠り児になった後、悲劇を経験する事』
これは今日まで伝わる、魔術師世界の常識となる。
<1698年>
○異端教会の魔術師たちにより、
『一定量以上の魔力を持つ魔術師が二度目の悲劇を得ると、更なる魔力と能力を得る』という事実が解明。
この現象は『第二覚醒』と名付けられ、第二覚醒を遂げた者は『魔人』『魔女』と呼ばれる事になる。
<1761年>
○黒の魔術師ヨハン・シュバルツイェーガー、異端教会との思想の違いから造反。
同様の意志を持つ仲間と共に、黒の魔術師のトライブ『シュバルツイェーガー』を設立する。
○シュバルツイェーガー、ドイツ・デュッセルドルフを本拠地とし、各地に勢力を伸ばす。
以降、白と黒のトライブ間で、小競り合いが頻発する。
<1764年秋>
○異端教会設立者レオン・アーデルハイム、200年以上の旅の末、隣世最深部に辿り着く。
そこで現世の滅亡を願う怪物『隣神』に遭遇し、死を賭して挑む。
○レオン、苛烈な攻撃により致命傷を受けつつも、隣神を封印。
この事を他の魔術師たちに伝える為、現世に帰還する。
○レオン、現世に辿り着いた直後、力尽きて死亡。現世の魔術師たちに、隣神討伐の希望を託す。
<1764年冬>
○白と黒の抗争を調停する為、第三者機関『調停者』が設立される。
調停者の仲介の元、両トライブは『存在秘匿原則』を締結。
魔術師全体の利益と安全のため、魔術師の存在を世に秘匿する事に合意する。
また抗争のルール等も、細かく明文化される。
<1906年>
○白と黒のトライブ間で、全面抗争が勃発。
以降、9ヶ月にわたる激戦となる。
○多くの犠牲を出した上で、白黒全面抗争終結。対立と遺恨を残したまま、一応の和平に至る。
<1945年>
○シュバルツイェーガー所属の赤の魔術師アルバート・パイソン、
同種の力を持つ魔術師らと共にドイツから亡命。
アメリカ・ネバダ州に、赤の魔術師のトライブ『ウィザーズインク』を設立する。
<1958年>
○アルバート・パイソン、ウィザーズインクを脱退。調停者となる。
<1962年>
○ウィザーズインクの魔術師たち、3種の魔粒子を科学的に観測。またその性質もほぼ解明する。
曰く、『あらゆる魔術的現象は、魔粒子が人間の精神活動に反応する事で起こる』。
400年以上前にレオン・アーデルハイムが提唱した理論は、ここで改めて実証される。
<2013年~>
○境界の壁が脆弱化し、窓が頻繁に開くようになる。
世界中で魔術師が増加し、同時に各トライブの抗争が激化し始める。
○その抗争の中で、各トライブの魔術師たちは、闘争を通じての絆を育む。
長年敵対してきたトライブ間にも、一定の信頼感と交流が生まれる。
○やがて魔術師たち、かつてレオン・アーデルハイムが隣世の奥に封印した怪物『隣神』の存在を認識。
これを倒すため、3トライブの恒久的和平がついに結ばれる。
<2015年秋>
〇現世に棲むほぼ全ての魔術師が、隣神を討つ為、トライブを超えて共闘。
それにより隣神と、その手先である『降魔』は倒され、世界に平穏が戻ってくる。
〇その後、3トライブの和平構造は、調停者の監督の元、隣神討伐後も維持。
トライブ間の競争意識は互いにありつつも、概ね平和な状態で、今日に至る。