top of page

【構成シート】

○オープニング(シナリオの導入部)

 ある秋の日。海外出張から帰ってきたPCたちが、見知らぬ従者を連れたニナに会う。

 しかしニナは様子がおかしい。白や赤のPCにいきなり襲い掛かってくる。

 黒のPCに対しては、『敵と通じるとは何事だ!』と、わけのわからない事を言う。

 ひとまずその場を逃げ出すPCたち。だがニナの乱心の理由を探るため、PCたちは調査を開始する。

○シーン1(導入部を受けてのPCたちの最初の行動シーン)

 白の拠点に行き、衛示から情報収集する。

​ だが衛示の様子も変だ。話がまるで噛み合わない。

 やがて話している内に、皆『ここ2年ほどの記憶を失っており、和平の事も忘れてしまった』という事が判明。
 和平の話をしても信じてもらえない。そこにニナが追ってきて、PCたちを襲撃する。

  ※チェック:敏捷性+ダイス、11以上で回避成功/失敗ならニナの攻撃を受け、HP-15

 

ターニングポイント(事態が別の局面になるきっかけ)

 嬰児たちが時間稼ぎをしてくれて、また逃げ出したPCたち。安全な場所に隠れて、今起きている事を話す。

 どうやらニナたちの記憶は、2年前=PBW版開始当時にリセットされているようだ。

 自分たちが出張している間に、東京で何かがあったのだろう。しかし何が?

 そこにラプラスから一斉メールが来る。「記憶を無くしてない人いる? いたら新宿拠点に集合して」と。

 ラプラスは記憶を失っていないのだろうか? 魔術師たちはそう思いつつ、新宿に向かう。

  ※ここでラプラスを疑い、新宿に行くのが遅れると、何者かの奇襲を受ける。

   チェック:知性+ダイス、11以上で成功/失敗時は記憶を一部消され、状態異常『混乱』となる。

   チェックに成功しても失敗しても、奇襲してきた者には逃げられ、その正体はわからない。
 

○シーン2(事態が本格的に動き出すシーン)

 新宿合同拠点に着くと、ラプラスがPCたちを迎え入れる。

 聞いてみるとラプラスも、記憶は失っていたようだ。だが彼女には、毎日日記をつける習慣があった。

 それでいち早く、自分たちが記憶を失っているに気づいたようだ。​彼女曰く――

 「どうも何らかの魔法によって、東京中の魔術師の記憶から、ここ2年分の出来事が消えているみたいね。

   このまま放置してたら、マズい事になりそうだわ」

 確かに東京中の魔術師たちが『現在は抗争中』だと思っていたら、東京のそこかしこで争いが起き、

 収拾がつかなくなるだろう。

​ そこでまず魔術師たちは、これ以上の闘いを食い止める為、調停者アルバート・パイソンの元に向かう。

 

ターニングポイント(事態がより緊迫した局面に代わるきっかけ)

 アルバートの店に着く​魔術師たち。そこで彼に声をかけると、怪訝な顔をされる。

 「俺が調停者……? 確かにその通りだが、なぜお前らがその事を知っている? どこから秘密が漏れた?」

 どうやらアルバートも記憶を失っているようだ。

 当時の調停者は極度の秘密主義だった為、彼もその秘密を洩らさないため、PCたちに襲い掛かってくる。

  ※アルバート戦:勝つのが目的の戦闘ではなく、会話などによってアルバートの記憶を元に戻すのが目的。

          一度で無理ならいったん逃亡し、準備を整えて再度挑む。

○シーン3(クライマックスの前フリ)

 なんとかアルバートの記憶を取り戻す事ができた。

 だが依然として、皆が記憶を失った原因は不明のままだ。それを突き止めなければ事件は終わらない。

 そう思うPCたちだが、そこでアルバートが有力なヒントをくれる。

 「そういやお前らが出張に出た少し後から、妙なことがあったな……

  各トライブの従者に、俺も知らねぇ顔が混じるようになった。

  ただの新人だと思っていたが、実は奴らが全員、記憶操作系の能力を持っていたとしたら?

  無害な従者のフリして動き回りつつ、少しずつ全魔術師の記憶を削る事も不可能じゃねぇ。

  まぁ俺までやられちまったのは、油断してたとしか言いようがねぇが……」

 そう言えばニナも、見知らぬ従者を連れていた。奴が犯人の一人なのか。

 真相に近づいた魔術師たちは、犯人グループを炙り出しにかかる。

クライマックス(ボス敵との戦いなど、シナリオ上の最後の困難)

 3トライブに連絡し、状況の説明をするPCたち。

 最初は信じなかった衛示たちも、アルバートが説明を加えると、やがて信じてくれた。

 そして近頃トライブに入った怪しい従者がいないか、それぞれ探してもらう。

 

 犯人グループはすぐに見つかった。

 PCたちに追い詰められた犯人グループは、玉砕覚悟で反撃してくる。

 さらに最後まで誤解が解けなかったニナも、その闘いに敵側として加わってしまう。

  ※犯人グループ戦:敵魔術師4人&ニナ

○エンディング(シナリオのシメの場面、大団円)

 犯人グループは捕らえられ、調停者に引き渡された。

 同時にニナたちにかけられた魔法も解け、魔術師たちはこの2年分の記憶を取り戻した。

 

 犯人グループは、反魔術組織『捕り手』に雇われた、在野の魔術師たちだったらしい。

 3トライブの和平構造を壊し、魔術師の力を削ぐのが目的だったようだ。

 だがその程度で崩れる程、和平の構造はヤワじゃない。

 PCたちはそう思いつつ、現在の平和を守れたことを喜ぶのだった。

【概要シート】

 

①シナリオタイトル

 『振り出しに戻されて』

②主な舞台

 東京都内

③事件内容

 何らかの原因によって、魔術師たちがここ2年ほどの記憶を失い、3トライブ和平の事も忘れてしまう。​

 それにより皆のテンションは抗争時代に戻り、東京中が一触即発の状況に置かれる。

④PCたちの目的

 事件の黒幕を探して倒し、記憶を失った魔術師たちを元に戻す。

⑤登場NPC

 ニナ・ファウスト………黒の幹部。記憶消失に伴い、抗争当時の心境に従って、白と赤の魔術師を襲う。

 高天原衛示………………白の幹部。記憶消失に伴い、抗争時の心境に戻り、黒の面々と会うたび戦意を燃やす。

 エスティ・ラプラス……赤の幹部。記憶を失ってはいるが、比較的冷静。ただし性格がドライに戻っている。

 アルバート・パイソン…調停者。記憶消失に伴い、抗争当時の厳格さを取り戻し、秘密主義者になっている。

 見知らぬ従者たち………今回の事件の犯人グループ。

ここでは前ページでご説明した『シナリオシート』の、サンプルを公開します。

内容としては完全に、PBWプレイ済みの方向けですが、シートの書き方の参考にして頂ければ幸いです。

サンプルシートは以上です。

 

なお上記はオリジナルシナリオの雰囲気を掴んで頂くため、やや詳しく書かれていますが、

実際のシナリオシートはもっとシンプルで良いと思います。

起きる出来事や、やりたいダイスチェックや戦闘などを、シーンごとに箇条書きにするだけでも、

じゅうぶん事足りると思います。

 

色々例など挙げましたが、TRPGの遊び方には、決まりなどありません(しつこいようですが)。

まずはあまり難しく考えず、気楽にプレイして頂ければ幸いです!

サンプルシナリオシート

bottom of page