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GM:店長
ジャンル:探査・伝奇・バトル
開催:未定
内容予告:
ある日、PCたちは衛示から、長野県のとある村の調査を依頼される。
なんでもその村では、『夜に眠りについた人がそのまま目覚めなくなる』という奇病が流行っていたのだ。
だがその現場では『窓』が開いた痕跡があった。恐らく落とし児の仕業だろう。魔術師たちは衛示の要請を受け、問題の村に調査に向かう。
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<解説>
このサイトを開設したばかりの頃、試しに創ってみたシナリオです。
諸々手探りで作っており、出来に自信がなかったため、結局セッション
には使われませんでした。
しかしせっかくですので、こちらで内容を公開させて頂きます。
何かの参考になれば幸いです。
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※以下、ネタバレ
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○シナリオタイトル
『獏の眠る村』
○舞台
長野県のとある山村
○事件内容
今回予告参照
○目的
問題の村を襲う奇病問題を解決する。
奇病の原因を探り、それを断ち切る。
○登場予定NPC
・白の魔人『高天原衛示』:
23歳男性。異端教会日本支部の幹部。今回はチョイ役。
・現地の神社の巫女『市村 陽』:
27歳女性。一般人。PCたちの現地での案内役。少し影のある美女。
・村の少女『月夜』:
11歳女性。この事件の最初の被害者。もう1ヶ月も眠り続けている。
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②シナリオ構成
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○導入シーン:『眠り続ける人々の村』
シーンの目的:事件の概要を聞く
PCたちが新宿合同拠点にたむろしていると、白の幹部『衛示』から、
ある相談を持ち掛けられる。
衛示「すみません、皆さんにお願いしたい事が……
実は近頃、長野県のとある村で、奇妙な事件が起きているのです。
夜に眠った人が、そのままいつまでも目覚めなくなるという事件が」
原因などは不明だが、その村では1ヶ月ほど前に窓が開いた痕跡があり、
落とし児が生まれている可能性があった。
ならばこの奇妙な事件も、落とし児の仕業である可能性が高い。
衛示「私が行きたいところなのですが、あいにく所用で東京を離れられず…
報酬は出しますので、解決に行って頂けませんか?」
その依頼を受けた魔術師たちは、さっそく現地に向かう。
※異端教会所属者以外のPCが参加していた際は、
報酬内容について衛示と交渉可能。
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○シーン1:『陽との出会い』
シーンの目的:事件の現地に行き、主要人物と出会う
現地に着いた魔術師たちは、村を預かる神社の巫女『陽』に出会う。
陽は村を襲った奇妙な災禍に、すっかり参っていた。
どんな医者に見せても原因不明。だが眠りに落ちたまま目覚めない人は日々増え続け、
このままでは村が潰れてしまうとの事だ。
陽「なんでも皆様は、こうした奇病に詳しいとか……
でもどういう方々なんですか?」
PCたち「(自由返答/返答次第で陽の信頼度変化)」
陽「そうですか……なんにしても、来て下さってありがとうございます。
私も協力しますので、なんとかこの村を救ってくださいませ!」
陽を案内役に、PCたちは村の調査を始める。
小さいけれど風光明媚な村で、被害者の病状調査を行うPCたち。
まず調べたのは、最初の被害者となった村の少女『月夜』。もう一ヶ月も眠り続けているそうだ。
月夜の両親も目覚めない。一家揃って眠り続けているのでは、生活も成立しないだろう。
PCたちが月夜たちを解析してみると、明らかに魔粒子の反応があった。やはり普通の病気などではないのだ。
怪訝に思う魔術師たち。
早く解決しないと、被害者は増える一方だろう。きっと犯人の落とし児は、村のどこかに潜んでいる。
そう思った魔術師たちは、その落とし児を探しにかかる。
※ここで月夜について詳しく調べると、事件終盤のヒントが得られる
あるいは月夜の調査を早々に切り上げ、落とし児捜索にかかると、
次のシーンが有利に運ぶ
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○シーン2:『村に潜む不穏な影』
○シーンの目的:落とし児以外にも敵がいる事を知る
PCたちは陽の案内の元、村の周辺の森などを探る。
だがその時、どこかで銃声が響く。PCの一人が何者かに撃たれた。
(ダイスチェック:
敏捷性+ダイス:13以上で回避成功/失敗時は15ダメージ)
落とし児が銃を使った!?
一瞬驚く魔術師たちだが、見れば遠くに逃げていく人影がある。
慌てて追いかけるが、森の中にはあちこちに罠が仕掛けられていた。
罠には毒が塗られていて、引っかかったPCたちが毒を受ける。
(全員ダイスチェック:
知性+ダイス:13以上で罠を看破/失敗時は状態異常『毒』)
そうこうしている内に、銃を撃った何者かを取り逃がしてしまった。
だがあれは明らかに、人間の仕業だった。
何か落とし児以外にも、この村には危険な存在が紛れているのか……?
とりあえず陽に問いただしてみるが、「私は何も知りません」の答え。
だがPCたちはその答えを、信用していいものか迷う。
※ここで汎用魔法『思考解析』を使った場合は、陽が本当に何も知らない
事がわかる。
陽との信頼度次第で、この後のシーンの有利不利が決まる。
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○シーン3:『夢を喰らう怪物』
シーンの目的:キーとなる伝承を聞き、
PCたちは森を出て、村に戻ってくる。
先ほど逃げた人影は、村の方に走っていった。ひょっとしたら村人の誰かの仕業かもしれない。
自分たちは歓迎されていないのか?この村には何か秘密があるのか?
ともかく日が暮れてきたので、その日は陽の家に泊まる事になる。
PCたちは落とし児や村人に警戒しつつ、陽の家へ行くPCたち。
夕食を取りながら陽と会話。そこで村に伝わる妖怪『獏』の伝承を聞く。
獏とは、『人の夢を喰らう怪物』の事だ。
伝承では獏に夢を食われた人は、心を失ってしまう。
陽「たかがおとぎ話だと思っていましたけど、今この村で起きている事は、
まるで獏の仕業に思えます。
目覚めなくなってしまった人たちは、獏に夢を食べられて、心を失って
しまったみたいで……」
魔術師たちはその伝承が、今回の事件に何か関係あるのではないかと思う。
さっそく陽に頼んで、神社に保管してある古文書などを調べてみるが、手掛かりはない。
疲れ果てた魔術師たち。その日は落とし児に警戒しつつ、結界を張って眠りにつく。役に立つかわからないが、念のため目覚まし時計もかけておく。
※ここでの伝承の調べ方によっては、
後々敵を弱体化させるヒントを得られる
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○シーン4:『悪夢』
シーンの目的:獏の居場所を知る
だがPCたちは、その時点で既に、敵の罠にかかっていた。
PCたちと陽が眠りにおちた瞬間、彼らは全員同じ夢を見た。
その夢の中では、見た事もない異形の獣たちが、村を徘徊していた。
村には獣以外にも、何人かの村人がいた。彼らは獣に追われ、逃げ惑っている。そして獣の一部がPCたちに襲い掛かってくる。
PCたちは魔法で対抗しようとするが、どういうわけか誰も魔法が使えない(状態異常『魔法不可』になる……んだけど、アンフェアっぽいかな?)
魔法ナシで勝てる相手とは思えず、やむなく陽と一緒に、生身で逃げ回る魔術師たち。
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※ここから頻繁にピンチのシーンが訪れ、さまざまなチェックが入る。
①獣に追いかけられるが、なんとか逃げ切る
ダイスチェック:敏捷性+体力+ダイス:
18以上で逃げ切り成功/失敗時は獣に齧られ、MP-10
②獣に襲われ、全身を噛まれる
ダイスチェック:攻撃力+ダイス:
15以上で振りほどき成功/失敗時はステータス異常『混乱』『狂気』
③林の中で獣に囲まれ、そこから脱出方法を探る
ダイスチェック:知性+ダイス:
15以上で脱出方法発見/失敗時は獣に齧られ、全員MP-5
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様々なピンチを乗り越え、ひとまず安全な場所に避難するPCたちと陽。
そこでこの夢が何なのか話し合う。ただの夢とは思えない、恐ろしくリアルな悪夢だ。この悪夢こそが、事件と直結している気がする。
まさかこれが、伝承に語られる『獏』なのだろうか?
夢の中にだけ現れる落とし児というわけなのか?
落とし児は人の心から生まれる。獏という妖怪の伝承がある地方の人なら、そんな特殊な落とし児が生まれてもおかしくはない。
陽「村の人たちも、次々と食べられてました……!
獏が伝承通りに、人の心を食べるとしたら――
夢の中で食われた人は、二度と目覚めない……?」
しかしこの夢の中では、魔法は封じられてしまうようだ。
だったらどうすれば、獏を倒せるというのか?
そう考えていたところに、ふと遠くに妙な人影が歩いていくのが見える。
獏の徘徊する村の中を、悠然と歩いている少女。
それはこの村に来た直後に会った、事件の最初の被害者『月夜』だった。
月夜はこの1ヶ月、眠り続けていた。
PCたちの推察が正しければ、月夜は1ヶ月前に、夢の中で獏に喰われたはずだった。
だが今、月夜は夢の中で元気にしている。いや、ただ元気にしているだけではない。
月夜は獏の群れを従えて、村人たちを襲わせているのだ!
詳しい事はわからないが、この事件の黒幕は、被害者だと思われていた月夜だった。その事に気づいたPCたちに、月夜が獏をけしかけてくる。
PCたちは逃げ出ようとするが、逃げ切れない。
絶体絶命と思われたところで、陽が身を挺してPCたちを逃がす。
その直後、陽は獏に喰われてしまう。同時にPCたちが目を覚ます。
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○シーン5『現実への帰還』
シーンの目的:現実でも進行するピンチを切り抜け、ボス敵の元へ向かう
現実に戻ってきたPCたちは、夢の中で起きた事を話す。
確認してみると、やはり全員同じ夢を見ていた。
そして夢の中で負った傷は、現実の肉体にはない。だが精神が酷くすり減り、魔力が減衰していた。
もはや疑う余地はない。この夢が今回の事件の原因だ。
この村で眠りについた人は、特殊な『悪夢の世界』に引きずり込まれる。
そしてその夢の中には『獏』がいて、それに喰われた人間は、心を失ってしまうのだ。
そしてその獏を従えていた少女『月夜』――彼女は普通の人間ではない。
彼女は恐らく魔術師だ。
固有魔法は『この村の中で眠りに落ちた人を、自分の創造した夢の世界に引きずり込む』。
発動条件は『自分自身が眠っている事』。
その魔法を使い、彼女は1か月かけて、村人たちの心を次々と食い尽くしたのだ。
月夜がなぜそんな事をしているのかはわからない。だがそれを止めなければならない。
そこまで考えた時、PCたちの傍らで眠っていた陽が、ゆらりと立ち上がる。
その顔からは表情が抜け落ちていた。陽は台所から包丁を取り出し、魔術師たちに突きかかってくる。
※ダイスチェック:敏捷性+ダイス:
10以上で回避成功/失敗時は不意打ちで刺され、HP-10
とっさに陽を拘束するPCたち。だがこれで最後の謎もわかった。
恐らく夢の中で獏に喰われた人は、現実世界では月夜の意のままに動く『傀儡』となるのだ。
彼女はその傀儡を使い、自分を邪魔するPCたちを排除しようとした。
村に来た直後に、PCたちを銃で襲った誰かも、月夜の傀儡の一人だろう。
いまこの村の住人の大半は、既に月夜の傀儡となっている。
それを押しのけ、月夜の元へ急がねばならない。
PCたちは事件を終わらせるため、再び月夜の家に向かう。
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○シーン6:『月夜との戦い』
シーンの目的:ボス敵との決着
次々と襲い来る村人たちを押しのけ、PCたちは月夜の家に辿り着く。
すると彼女は起きていた。PCたちが来るのを待っていたらしい。
月夜「やっと望みを得られると思ったのに、とんだ邪魔が入ったわね……」
PCたちが「なぜこんな事をしたのか」と尋ねると、月夜は犯行動機を語る。
余所者にとって風光明媚なこの村は、月夜にとっては牢獄だった。
学校では酷いいじめを受け、家庭では親に愛されず、かといって幼い彼女には村を出る事も出来ない。
繰り返される辛い日常の中で、彼女が平穏を得られるのは、夜に見る夢の中だけだった。
だがそんなある日、彼女は空に浮かぶ『窓』を見た。
覚醒はすぐにもたらされた。彼女の日常は、悲劇そのものだったから。
そうして手に入れた魔法は、憎い憎い現実の住人たちを、自分の夢に引きずり込む力。
そしてそうする事により、現実をも月夜の望む形に、改変する魔法だった。
月夜「貴方たちが、私と同じ力を持っている事は、すぐにわかった。
眠り続けていても、現実世界で起きている事は、傀儡たちの目を通じて
伝わってくるから。
だから丁重に帰って頂こうとしたのに、深入りし過ぎたわね……」
月夜はそう言いながら、『武器創造』の魔法を遣う。
それは月夜が現実に抗う為、夢の中で使った唯一の武器。
白の魔粒子で造られ、月夜の意のままに動く『獏』だった。
月夜「貴方たちなんかに、私の夢を終わらせはしない……
あなたたちこそ、目覚めぬ眠りにつきなさい!」
その声と共に戦闘が始まる。
※戦闘パート開始:エネミー①『月夜』/エネミー②『獏』
戦闘後は止めを刺すかどうかなど、自由分岐。
それによりエンディングの内容も変化。
以下は止めを刺さなかった場合の例。
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○エンディングシーン:『夢の終わり』
シーンの目的:後日談
夢見がPCたちに倒された事で、傀儡化されていた村人たちも元に戻った。
陽も正気を取り戻し、PCたちに事件解決の礼を言う。
その悲惨な境遇から、今回の事件を起こした月夜だが、もう犯行を繰り返す事はないだろう。
月夜は異端教会に引き取られ、忌まわしい村を出る事となった。
彼女の悪夢はようやく終わり、これから新しい日々が始まるのだ……。
※PCたちも東京に帰り、衛示から報酬をもらってシナリオ終了